診療報酬改定を追い風に

4月から平成30年度診療報酬改定が施行されました。今回の改定は、2年ごとの診療報酬改定と3年ごとの介護報酬改定が重なる6年に1度の同時改定であり、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、医療介護体制を整備する大きな見直しとなりました。入院ベッドのある病院においては、入院基本料の見直しへの対応が課題となり、地域医療構想とも関連して、地域の中での自院の立ち位置の検討を迫られています。一方、今回の改定では「働き方改革」を進めるための措置も講じられています。医療専門職の負担を軽減する観点から、医師や看護職員をサポートする医療事務や看護補助の業務を行う者の配置に対する診療報酬の加算(医師事務作業補助体制加算、急性期看護補助体制加算、看護補助加算など)が引き上げられました。例えば、急性期看護補助体制加算では、病棟への看護補助者の配置状況により、入院1日当たり80点から160点までの4段階の加算点数が設定されていますが、今回の改定でいずれの点数も50点(500円)引き上げられました。急性期看護補助体制加算は入院日から14日間を限度に支給されますが、患者1人1日当たり500円引き上げられることは、単純に計算して、入院患者が1日平均300人の病院で入院期間14日以内の割合が6割の場合には、年間3,285万円の収入増を意味します。ところが現実には、近年の経済環境の改善に伴い、看護補助者の確保に苦労されている病院は多く、算定中の加算維持すら危ぶまれる状況にあります。仮に、入院患者が1日平均300人の病院が最下位の加算を取得していた場合でも、加算維持が困難となり失う金額は年間5,256万円(改定後は8,341万円)にもなります。

こうした中で、知的障害や精神障害のあるスタッフが、対人サービス以外の業務を中心に看護補助業務に関わり、加算の取得や維持に貢献する動きも増えてきました。今回の診療報酬改定を追い風にして、障害者雇用の看護補助業務での職域開拓を考えられる病院関係者の皆さんには、看護補助業務における障害者雇用の先進事例について、病院見学も含めてご紹介しますので、ご希望があれば以下までご連絡ください。mediem.net@gmail.com