「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」の開催

平成30年4月より、法定雇用率の算定基礎に精神障害者が加えられるのに伴い、法定雇用率の引き上げが行われることになりました。現行の法定雇用率が2.0%である民間事業所の場合、従来の算定方法だと「2.42%」へと大きく上昇するため、5年後の次回見直し時期までは「2.3%」とすることとした上で、更に3年間は「2.2%」の引き上げにとどめることになりました。法定雇用率を達成できていない事業所が未だ半数以上ある中で、今後とも法定雇用率が上昇を続けていくことには、事業者の側からは不安の声も上がっています、

このため、厚生労働省では、労使、障害者関係団体等の関係者から成る研究会を開催し、障害者雇用促進制度の中心的役割を果たす障害者雇用納付金制度や雇用率制度のほか、各種支援策について、今後の在り方の検討を行うこととなりました。

「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」(概要)

今回の法定雇用率の引き上げは、精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加えたことに伴うものですが、各事業所が法定雇用率の達成のために新たに障害者を雇用する場合、障害の種別は精神障害者でも身体障害者や知的障害者でも構いません。しかしながら、ハローワークから紹介される障害者の多くを精神障害者が占めている現状では、各事業所が法定雇用率を達成できるかどうかは、精神障害者の雇用にどれだけ取り組めるかにかかっていると言えます。このため、研究会では精神障害者の雇用に関する議論が多くを占めています。

平成29年9月20日に第1回の研究会が開催された後、第2回(10月23日)、第3回(10月30日)、第4回(11月7日)、第5回(11月24日)と関係団体からのヒアリングが4回にわたり行われました。その中では、長時間の勤務が難しいとされる精神障害の特性を踏まえ、精神障害者の短時間雇用のカウントについて、以下のような意見が出ています。

(1)30時間未満20時間以上の短時間雇用の「0.5カウント」から「1カウント」への引き上げ

(全国精神保健福祉会連合会、全国就業支援ネットワーク、全国重度障害者雇用事業所協会、就労継続支援A 型事業所全国協議会、障害者雇用企業支援協会、日本経団連)

(2)20時間未満10時間以上の短時間雇用のカウント

(全国精神保健福祉会連合会、全国就業支援ネットワーク、全国就労移行支援事業所連絡協議会、全国重度障害者雇用事業所協会、就労継続支援A 型事業所全国協議会、障害者雇用企業支援協会)

(3)累積カウント制度又はショートタイムワーク制度の創設(20時間未満の複数人の雇用時間を累積してカウント)

(全国手をつなぐ育成会連合会、全国重度障害者雇用事業所協会)

 

【関係団体からのヒアリング(リンク)】

関係者ヒアリングにおいて関係者及び委員から出された意見等の整理