テープカットの仕事で業務も効率化

障害者雇用を先駆的に進めている病院では、障害のあるスタッフの行う業務として、看護師業務をサポートする分野の職域開発が積極的に進められています。なかでも点滴針等を固定するテープのカットは、外来や病棟で看護師が業務の片手間に行っていることが多く、負担から解放される看護師からは大変喜ばれています。加えて、テープカット業務を切り出す過程で、業務の効率化が進む効果も生じています。

関東地方の公立のがん専門病院では、抗がん剤の治療で使われる点滴の量も多いため、点滴針を止めるテープカットの作業も外来や病棟で毎日大量に行われていました。カットされていたテープは、点滴針を刺す身体の部位によって形状が様々なうえに、病棟ごとに微妙にサイズも異なっていました。元々は理由のあったことでしょうが、障害のあるスタッフに業務を発注するのを機会に、できるだけ仕様を統一しようということになり、看護師長間で話し合った結果、基本2種類のみに集約することができました。これまで病棟で行っていた作業を集中実施することで、病棟ごとにテープのストックを置く必要もなくなりました。また、必要な枚数を発注すれば病棟まで届けてくれて、各病棟への納品数は作業室で記録するので、病棟の側で使用量を記録する必要もなくなりました。

このように障害のあるスタッフがテープカット業務を行うことで、看護師の業務負担が軽減されるとともに、業務自体の効率化も進む結果となりました。