職員に役立つ仕事が理解を広める

関東にある公立の小児専門病院では、以前は身体障害者のみを雇用していましたが、3年ほど前から地域の就労支援機関の支援を受け、知的障害者の雇用を開始しました。最初は2名からスタートし、ジョブコーチも配置しながら現在では8名のメンバーによるチーム編成となりました。障害者雇用チームの立ち上げに当たっては、「小児専門の病院には将来に不安のあるご家族も来られる中で、院内で障害のある方が働いている姿を見て、少しでも将来に希望を持っていただければ」との思いがあったそうです。その思いは、徐々に花開いてきるようです。

人事部門の責任者の方によれば、院内の職員に障害者雇用を理解してもらう上で、名刺印刷とテープカットの仕事がとても効果的だったそうです。名刺は全職員から受注していますが、ワンコイン500円と低額なため、職員からも大変喜ばれているそうです。また、点滴針等を固定するテープを一定の大きさにカットする仕事は、各病棟から依頼を受けて作業室でまとめて作業し、完成品を病棟に配達しているため、現場の皆さんと接する機会も多く、出来栄えの良さも含めて看護部からの評価も高いそうです。このように病院内の多くの職員に関わる仕事をしていくことで、自然とチームへの理解も広まっていったようです。

更に、チームのメンバーが病院の英語表記をプリントした病院のイメージカラーのユニホームを着て、病院内のあちこちで働いている姿が、障害者雇用チームの存在感を高めている効果も見逃せないでしょう。