活動報告

○気象庁「障害に関する理解の促進・啓発のための研修」での講演(2024年2月9日)

気象庁では障害者活躍推進計画において「庁内職員の障害に関する理解の促進・啓発のため、気象庁独自でも研修や講演会を行う」旨を定めており、本年度も研修会が開催され、「障害のある職員を受け入れることで進化する職場」をテーマにした講演を行いました。

研修会は昨年同様にteamsで行われましたが、気象庁本庁だけでなく、全国の管区気象台や地方気象台からもオンラインで100名以上の職員が参加されたほか、当日受講できない職員は講演録画を視聴できるようにされました。

今年の研修の中では、川崎市から提供いただいた「ようこそ、バリアcaféへ〜二足歩行者ウォーカーの体験〜」の動画と人事院公務員研修所で行われたダイアローグ・イン・ザ・ダークの模様の動画も放映しました。

講演後には、事前に提出された職員からの質問にも回答しました。このうち障害があるという理由で平易な仕事しか与えないことや、障害に関係のない業務まで軽減するのは「差別」ではないのかとの質問に対しては、障害者雇用で求められる「合理的配慮」は個人の能力を発揮するためのものであり、仕事ができないからやらせないのではなく、業務を変えたり、指示の仕方を変えることで能力が発揮され、職場の戦力にすることを目指すものであると説明しました。

気象庁での職員研修も4年目を迎え、障害に対する理解や障害者雇用の意義について、職員の理解も進んできていることを感じます。

(講演資料)

「障害のある職員を受け入れることで進化する職場」

「ようこそ、バリアcaféへ〜二足歩行者ウォーカーの体験〜」

 

○徳島労働局障害者雇用セミナーでの講演(2024年2月7日)

害者の法定雇用率の引き上げにより、新たに1人以上の障害者の雇用が義務付けられる事業者を中心に集めた障害者雇用セミナーが、徳島労働局の主催で2024年2月7日にあわぎんホール(徳島市)で開催され、製造、医療、福祉、サービス、運輸、土木・建設、小売などの民間事業者のほか公的機関も含めた50名以上の方が参加されました。セミナーでは、徳島労働局職業安定部長の篠原毅さんの挨拶に続き、地方障害者雇用担当官の堤智恵さんから「徳島県の障害者雇用の現状」について説明がありました。その後、当ネットワークの依田から「経営の観点から見た障害者雇用の効果と進め方〜持続的に成長できる職場づくり〜」について講演しました。引き続いて、もにす認定を受けている船場化成株式会社(徳島市)総務部長の村田道彦さんと赤澤海音さんから「定年まで働きたい!現場実習から4年半の道のり〜驚愕の大変身を経て現在も楽しく勤務できている理由〜」という対談形式の事例発表がありました。

講演では、健康経営や多様性という文脈の中で障害者雇用を考える視点が大切とした上で、障害者雇用の効果として、人材不足への対応、業務の効率化、同じ職場で働く従業員にも働きやすい環境整備、合理的配慮の理解が企業の強みになる、心理的安全性の高い職場づくり、管理職のマネジメント能力の向上、SDGsへの貢献といった点を挙げて説明しました。

事例発表では、上司である村田さんが赤澤さんの言葉をスムーズに引き出している姿から、心理的安全性の高い職場づくりをされていることを感じました。赤澤さんの「成長できるということが仕事にはあるんだ」「ここで終わりという限界を作らずにこれからも進化を続けていきたい」という言葉には、会場の皆さんも頷きながら聞き入っていました。

雇用率制度という言わば「ムチ」と助成金という「アメ」だけでは事業者が「腹落ち」することはないでしょう。今回のセミナーでは経営の視点で障害者雇用の効果を理解していただくとともに、その効果を本人や経営者の生の声で「裏打ち」することができたと思います。参加された事業者の皆さんには、「障害者雇用やってみるのも良いかな」と考えるきっかけになったのではないでしょうか。

(講演資料)

「経営の観点から見た障害者雇用の効果と進め方〜持続的に成長できる職場づくり〜」

 

○公的機関での障害者雇用の交流会(2024年1月16日)

愛媛県の南予地域就労支援ネットワーク連絡会の主催で、「公的機関での障害者雇用についての交流会」がオンライン形式で1月16日に開催され、愛媛県(えひめチャレンジオフィスを含む)、市町、国機関の24名を含む40名以上の方が参加されました。愛媛労働局職業安定部職業対策課長の堀尾寿之さんの挨拶の後、話題提供として当ネットワーク代表の依田から「公的機関での障害者雇用の意義と取組」についてお話しし、特許庁や茨城県における障害者雇用の取組を紹介しました。引き続き、愛媛県保健福祉部生きがい推進局障がい福祉課在宅福祉課担当係長の大西沙織さんから「えひめチャレンジオフィスなど愛媛県庁の障がい者雇用」について報告がありました。その後の意見交換では、職域開発、職場実習、障害のある職員向けの研修などの話題で盛り上がりました。一部の機関からは、押印廃止、電子申請などのペーパーレス化が進む中で、将来的に障害のある職員が担える事務補助業務がな減少するのではないかとの懸念が伝えられましたが、ペーパーレス化を進める上では既存の膨大な紙文書のスキャニングが必要であり、当面の業務はむしろ拡大するのではないかという意見も出ました。

2021年度からスタートした交流会も4年目となり、それぞれの機関が抱えている課題やノウハウを率直に話し合えるようになってきました。全国的に見ても、こうした交流会はまだ限られた地域でしか開催されていませんが、参加した機関の皆さんには大変参考になっているようなので、是非、他の地域でも開催される動きが出てくることを期待します。

(資料)「公的機関での障害者雇用の意義と取組

 

○国の機関の職員に対する障害者職場適応支援者養成セミナーin 東京令和5年度第2回(2024年1月15日)

国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーの東京での令和5年度第2回目が、1月15日からAP市ヶ谷(東京都千代田区)で開催されました。国の機関からの参加者は18名でした。2時間の講義の最後に行われた質疑の時間では、「合理的配慮」として要求される内容にどこまで対応すべきかという質問が幾つかあり、公務部門の雇用の現場で抱える悩みが伝わってきました。雇用の分野での「合理的配慮」の目的や限界については、「公務部門の障害者雇用情報サイト」に掲載している「公務部門の障害者雇用Q&A」でも説明しています。このQ&Aは、過去のセミナーで質問された内容などをもとに作成していて、現在は第3版を公表していますので、参考にしていただけるかと思います。

(講義資料)

「公的部門における職場適応支援者の役割①~働き方改革に資する障害者雇用の進め方~」「公的部門における職場適応支援者の役割②~公務部門での障害者雇用事例に学ぶ~」

「合理的配慮の違い(障害者差別解消法と障害者雇用促進法)」

 

○「働く広場」で福岡市の博愛会病院を紹介

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の発行する月刊誌「働く広場」の2023年12月号の「職場ルポ」において、当ネットワークメンバーの呼子修一さんと仲西千絵さんの所属されている特定医療法人財団博愛会の取り組みが「医療・介護の現場を支える“ケアメイト”」と題して紹介されました。

博愛会の運営する博愛会病院の取組みは、これまでも何度か当ネットワークホームページで紹介してきましたが、これまでの経緯を含む障害者雇用の取組みの全体像が理解できる記事となっていますので、是非、ご覧いただければと思います。なお、記事の中では当ネットワークのことも紹介いただきました。

「働く広場」2023年12月号

 

○国の機関の職員に対する障害者職場適応支援者養成セミナーin 大阪令和5年度第2回(2023年11月28日)

国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーの大阪での令和5年度第2回目が、11月28日から4日間の予定でドーンセンター(大阪市)で開催されました。セミナーには、国の7機関から8名が参加されました。今回も受講者は少数でしたが、初日の午前中の講義で4名から質問が出るなど、研修に前向きに取り組む姿勢が感じられました。定型的な業務を障害者の業務とすることの適否、障害のことを職場でどこまで共有すべきか、職場実習受入れと守秘義務との関係、テレワークを進める際の注意事項など、実際に障害者雇用を進める中で検討が必要になってきた質問が増えている印象です。平成30年夏の公務部門の雇用率不適切算定問題から5年が経過し、国機関での障害者雇用の経験も年数を重ねてきましたが、そこから得られる経験知を雇用の質の向上に繋げていくことを期待しています。

○東京都マッチングスキル等向上研修での企業トレーナー参加(2023年11月24日・27日)

東京都福祉局が特定非営利活動法人WEL’Sに委託している「就労支援機関連携スキル向上事業」の「マッチングスキル等向上研修」のプログラムのうち、11月24日と27日に行われた演習に企業トレーナーとして参加しました。この研修では、発達障害のある者が採用面接を受けるのに際し、就労支援機関が利用者と企業からアセスメントを行い、企業にどのように説明するかをロールプレイで試します。演習は4〜5人のグループに分かれ、それぞれに福祉トレーナーと企業トレーナーが配置され、福祉トレーナーは自己理解の乏しい発達障害のある利用者役、企業トレーナーは障害者雇用経験の少ない企業の人事担当者役を演じます。採用面接のロールプレイでは、企業側が何を求めているかのニーズを踏まえ、利用者の強みや合理的配慮の説明、職域提案を行い、それに対してトレーナーからフィードバックを行うことで、マッチングスキルの向上を目指します。受講者の中には企業の人事担当者と話す機会の少なかった者も多く、企業側の視点は新鮮に感じられたようです。企業としても、支援機関に企業の視点を知ってもらうことは大変意味があると考えているので、こうした研修が全国に広がることを期待しています。

 

○日本障害者職業リハビリテーション学会シンポジウムの参加(2023年8月26日)

日本職業リハビリテーション学会第50回かながわ大会が2023年8月25日〜26日に神奈川県立保健福祉大学(横須賀市)で開催され、2日目の午前には大会企画シンポジウムⅡ「雇用する側あるいは働く障害者を支える側はこれからの時代にどのような取り組みを行っていくの か」が行われました。シンポジウムの司会は学会長の志賀利一さん(横浜やまびこの里)で、シンポジストとして小形秀夫さん(障害者雇用部会)、酒井大介さん(全国就労移行支援事業所連絡協議会)、久保寺一男さん(就労継続支援 A 型事業所全国協議会)とともに、当ネットワーク代表の依田が「公務部門の障害者雇用情報サイト管理者」の立場で参加しました。

(説明資料)「公務部門における障害者雇用を推進するための取組」

職場実習が行われてこなかったり、地域の支援機関があまり活用されていないなど、公務部門の障害者雇用には一時代前の印象もありますが、役所が異なっても業務は似通っている特徴に加え、「公務部門における障害者雇用マニュアル」や「障害者活躍推進計画」の策定など、統一的な方向性を示せるメリットもあります。現場では十分理解や活用がされていない理念やノウハウも多いですが、地域の支援機関が分かりやすく説明することで実質が伴えば、新たな障害者雇用のモデルも生み出され、好事例の横展開が期待できる分野と言えるでしょう。そのためにも、特例子会社間で障害者雇用のノウハウを共有する障害者雇用部会のように、公務部門でも障害者雇用のノウハウを共有できる場づくりが求められるでしょう。

 

○認定看護管理者教育課程サードレベル研修(2023年8月17日)

独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)が実施している、日本看護協会の認定看護管理者教育課程サードレベルの研修が開講され、JCHO病院16病院のほか国立病院、労災病院、大学病院、県立・私立病院、民間病院16病院から計33名が受講しました。本年の研修は、昨年に引き続きオンラインと対面の組み合わせで実施され、「組織デザインと組織経営」の単元では「働き方改革に資する障害者雇用」をテーマに3時間の講義をオンラインで行いました。

前半の講義では、最近企業の人事関係者の間で話題になっている「心理的安全性」について、提唱者であるハーバード大学のエイミー・エドモンドソンは、病院の優れたチームワークを持つチームの方がヒューマンエラーの発生率が高いという調査結果から、優れたチームほどオープンに情報を共有するためエラーを報告する回数も多いと捉え、この現象を「チームの心理的安全性」と呼んだことを紹介しました。「心理的安全性」の考え方が医療現場の研究から生まれたことからも、看護管理者の皆さんには「心理的安全性」の高い職場づくりに取り組んでいただければと思います。

後半のグループワークでは「『働き方改革に資する障害者雇用』自院で進めるとしたらどのような業務を切り出したいか」と「自閉症スペクトラム(ASD)傾向のある看護職の適性に合う仕事は何か」の2つのテーマについて、5つのグルーで意見交換してもらいました。テーマ1では、看護師の業務を看護補助者にタスクシフトするため、障害者雇用で看護補助者の業務から定型的なものを切り出し、看護補助者の負担を軽くしたいという意見が多く出ました。テーマ2では、新人看護師は病棟配置が基本だが、担当患者を一人から増やせなかったり、マルチタスクが必要な病棟業務は難しい新人もいるといった意見がありました。そうした中で、コミュニケーションに問題のある新人を手術室に配置したことで定着し、スキルアップにも積極的に取り組んでいる経験から、適性のある業務として手術室等もあるといった意見もありました。また、周りが困っていても本人に自覚がない場合は、別業務に異動させることが難しいといった意見に対し、本人のこだわりのあった診療科に関連する業務の中から、判断の必要が少ない業務に変えることで納得が得られたとの報告もありました。講評では、異動先を探す場合にはモチベーションが保てることが大切で、看護師でなくてもできる作業をさせるのではなく、国家資格が必要な業務でスキルアップを目指せるような業務が望ましいことを伝えました。

来年からの法定雇用率の引上げと除外率の引下げで、医療機関の障害者雇用への圧力は強まることが予想されますが、そうした中でも看護管理者の皆さんが障害者雇用を自分たちの「働き方改革」に資するものとして受け止め、この機会を生かしていかれることを期待しています。

(講義資料)「組織デザインと組織運営〜働き方改革に資する障害者雇用〜」

 

○共用品推進機構の情報誌「インクル」の特集記事の掲載(2023年7月25日)

公益財団法人共用品推進機構が隔月で発行する情報誌「インクル」は、2023年7月25日発行の第145号で「合理的配慮」について特集しており、その中で当ネットワーク代表の依田の「雇用分野での合理的配慮」が掲載されています。「合理的配慮」の考え方については、少しずつ理解が広がってきましたが、それとともに現場では対応に苦労される場面も増えてきました。その背景には、サービス提供の分野と雇用分野とでは「合理的配慮」の根拠法も異なり、その目的とするところが異なるにも関わらず、そのことが関係者の間でもあまり理解されていないことがあるように思います。「合理的配慮」として雇用主側が配慮を求められ、「過重な負担」でなければ対応するという以前の問題として、そもそも「雇用分野での合理的配慮」が何を目的とするかを明確にすることが、建設的な議論を行う上では不可欠なことを、この記事から感じ取っていただければと思います。

「雇用分野での合理的配慮」(インクル第145号掲載)

 

○国の機関の職員に対する障害者職場適応支援者養成セミナーin 大阪令和5年度第1回(2023年7月18日)

国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーの大阪での令和5年度第1回目が、7月18日から4日間の予定でドーンセンター(大阪市)で開催されました。セミナーには、国の6機関から7名が参加されました。参加者が少数だったこともあり、講義の中でも積極的に質問が出て、少人数のメリットを感じることができました。今回の研修に限りませんが、「合理的配慮」についてどこまで対応すべきか悩まれている話をよく聞きます。障害者がサービスの受け手である場合は「障害者差別解消法」の適用対象ですが、雇用されている障害者に対する対応は「障害者雇用促進法」の適用対象となります。後者の場合は、障害者も賃金を得て働く労働者という立場であり、障害者雇用促進法により「職業に従事する者としての自覚を持ち、その能力の開発及び向上を図り、有意な職業人として自立する」という努力義務が課せられています。セミナーでは、雇用の局面での「合理的配慮」には、この努力義務が前提にあるとした上で、「障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するために講ずる」ものであることを説明しています。なお、今回の研修でも国機関での障害者雇用の事例報告が予定されています。同じ公務部門での障害者雇用の事例は聞く機会が少ないだけに、受講者の皆さんにも大変参考になることでしょう。

 

○国の機関の職員に対する障害者職場適応支援者養成セミナーin 東京令和5年度第1回(2023年6月26日)

国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーの東京での令和5年度第1回目が、6月26日からAP市ヶ谷(東京都千代田区)で開催されました。国の機関からの参加者は20名となりました。受講者の勤務地を見ると、東京近辺のほか山形県や佐賀県からの参加もありました。令和元年度から東京と大阪の会場で開催されてきたセミナーも、今回で18回目を迎えました。国の機関は全国に所在していることから、こうした研修は東京と大阪だけでなく、ブロック単位で開催してほしいという要望もあるようです。こうした要望に応えていくためには、国機関だけでなく、地方公共団体も含めた「公務部門」の障害者雇用セミナーのような形も考えられるでしょう。全国各地から参加しやすい方法となると、オンラインでの開催も考えられますが、公務部門で障害者雇用に携わっている職員同士が情報交換したり、地元の就労支援機関を知る機会が作れる、障害者雇用事業所での実習もできるという点では、やはり対面での研修機会はメリットがあると思われます。その上で、基本的な説明部分はビデオ録画を活用するような工夫を考えていけば良いのではないでしょうか。いずれにしても、全国にある公務部門の職場の皆さんに対して、障害者雇用に必要なノウハウを学べる機会を広く提供していくことは、公務部門の障害者雇用の質を向上させていくためには不可欠なことです。

(講演資料)

「公的部門における職場適応支援者の役割①~働き方改革に資する障害者雇用の進め方~」「公的部門における職場適応支援者の役割②~公務部門での障害者雇用事例に学ぶ~」

 

○日本病院会ホームページでの紹介(2023年4月6日)

「医療機関の障害者雇用ネットワーク」は平成27年4月に発足し、同年6月にはホームページを開設し、医療機関の皆さんが障害者雇用を進める上で役立てていただける情報の提供を開始しました。当時、いち早く当ネットワークの趣旨に賛同いただいた一般社団法人日本病院会では、会員各病院に対して当ネットワークのホームページをご紹介いただきました。

それから8年近く経ちましたが、今般、障害者雇用率制度が見直され、法定雇用率の引き上げと除外率の引き下げにより厳しい対応が迫られる医療機関も多い中、医療機関の皆さんに役立つ情報を提供している当ネットワークのホームページについて、改めて日本病院会のホームページで紹介いただきました。

 

○「こころの元気+」での紹介(2023年4月4日)

認定NPO法人地域精神保健福祉機構(コンボ)が毎月発行している「こころの元気+」は、統合失調症、うつ病、双極性障害、発達障害などをもつ方(ご本人)・ご家族・支援者・医療関係者向けの情報誌で、2007年の創刊以来、信頼できる情報を幅広く提供しているメンタルヘルスマガジンです。精神科のクリニックの待合室などに置かれていることもあるので、ご覧になった方もいるかと思います。

「こころの元気+」では、毎月の特集を組んでいますが、2023年4月号では「働くことのハテナ」を特集として取り上げ、編集部からの依頼で「医療機関の障害者雇用ネットワークって何?」という記事を執筆しました。

(掲載記事)「医療機関の障害者雇用ネットワークって何?」

 

○医療-福祉-企業の地域連携シンポジウムでの登壇(2023年3月21日)

NPO法人全国精神保健職親会(vfoster)(理事長:中川 均)主催の日本財団助成事業報告会「医療–福祉–企業をつなぐ「ともに働く」地域連携ネットワーク」が東京都立産業貿易センター浜松町館(東京都港区)で開催され、オンライン参加と合わせて60名ほどが参加されました。

島根県浜田市にある清和会西川病院の林輝男医師による基調講演「医療–福祉–雇用の地域連携に向けて〜精神科病院からの就労支援〜」に続き、各地での取り組みとして、いわき市障がい者職親会理事長の石山伯夫さん、兵庫県精神障害者就労支援事業所連合会会長の野村浩之さん、兵庫県精神保健福祉センターの中谷恭子さんから報告がありました。その後、前半の登壇者4名に加え、全国就業支援ネットワーク代表理事の藤尾健二さん、東京中小企業家同友会会員の三鴨岐子さん、厚労省障害者雇用対策課長の小野寺徳子さんを交えたパネルディスカッションが行われ、当ネットワーク代表の依田がファシリテーターを担当しました。

パネルディスカッションでは、ネットワークに自治体を誘い込むコツ、障害者就業・生活支援センターの「基幹型」としての役割と自立支援協議会の活用、ネットワークの一員としての企業のノウハウの活用等について、登壇者から活発な発言がありました。

ネットワークについては、地域の課題や支援機関の役割について共通認識する場として、基幹相談支援センターや自立支援協議会(就労支援部会)の活用も指摘されました。就業支援は労働行政で広域的な対応なのに対して、生活支援は福祉行政で市町村単位の対応という違いはありますが、だからこそ障害者の雇用行政と福祉行政が一緒になって「連携」を促す明確なメッセージを発信し、連携を進めやすい具体的な仕組みづくりを進めることが期待されます。

また、企業が法定雇用率の達成のみを目的に雇用率ビジネスの利用に走らずに、障害者の能力を活かして戦力化していくためには、障害者雇用の経験やノウハウがある企業からの情報発信が効果的という指摘もありました。厚労省で検討中の助成金制度の見直しの中に「障害者雇用相談援助助成金」の新設が盛り込まれた趣旨も、こうした企業からのアドバイスを広げる目的があるとの説明がありました。

地域の取組事例からは、地域ごとに様々なネットワークづくりがあり、そこから様々なヒントが読み取れることを感じたパネルディスカッションとなりました。

 

○兵庫県精神障害者就労支援事業所連合会研修会での講演(2023年3月1日)

兵庫県精神障害者就労支援事業所連合会(職親会)、全国精神保健職親会(vfoster)、兵庫県精神保健福祉センターの主催による研修会「精神科医療機関と連携したネットワークづくり」が令和5年3月1日に兵庫県こころのケアセンター(神戸市)で開催され、精神障害者の就労に関わる福祉事業所、就労支援機関、医療機関、行政機関、職親を含む民間事業所等から70名ほどが参加しました。

研修では最初に当ネットワークの依田から「精神障害者の雇用を支える地域の連携〜就労支援のネットワークづくり〜」をテーマに講演を行いました。講演では福祉的就労から一般就労に繋げていく流れを作るネットワークづくりの具体的な進め方として、「地域連携就労支援パス」の作成を提案しました。また、令和4年診療報酬改定で創設された「療養生活継続支援加算」により、医療機関の精神保健福祉士が関係機関と「顔の見える」関係を作りやすくなったことや、令和5年度に創設される「障害者雇用相談援助助成金(仮称)」により、雇用経験の豊富な事業所のノウハウを他の事業所に提供しやすくなることなど、ネットワーム形成に資する最新の動きも紹介しました。

講演に引き続き、全国精神保健職親会理事長の中川均さんの司会で座談会が行われ、北播磨障害者就業・生活支援センターの森一人さん、兵庫県精神障害者就労支援事業所連合会会長の野村浩之さんとともに、地域のネットワークづくりについて語り合いました。ネットワーク作りにおいては、自らの弱い部分を認識し、その部分を得意とするところと繋がる関係が大切ですが、座談会での話の中からも、医療機関、福祉事業所、就労支援機関等がそれぞれの役割分担で一般就労に向けた取り組みをしている事例や、行政機関が民間事業所のノウハウを活用してる事例など、それぞれの強みを活かしたネットワークづくりが紹介されました。

(資料)「精神障害者の雇用を支える地域の連携〜就労支援のネットワークづくり〜」

 

○「徳島『働こう!』交流会」のパネルディスカッション「医療機関における障がい者雇用」への参加(2023年2月25日)

一般社団法人徳島県障がい者雇用支援協会の主催による「徳島『働こう!』交流会」が令和5年2月25日にオンライン方式で開催され、100名を超える参加がありました。「徳島『働こう!』交流会」は、雇用企業や支援機関の皆さんのほか、働いている障がいのある方も多く参加している点に特色があります。

交流会では、初めに「徳島県障がい者雇用支援協会・従業員表彰」の報告があり、勤続15年・10年・5年の表彰を受けられた皆さんの紹介があり、続いて「医療機関における障がい者雇用」をテーマとしたパネルディスカッションが行われました。

パネルディスカッションでは、最初に当ネットワークの依田から「医療機関での働き方」と題して、医療機関は専門職の多い職場であること、多忙である専門職の仕事を手助けする仕事がたくさんあることについて、具体的な事例で詳しく紹介しました。引き続き、徳島県内の2病院から障害者雇用の事例発表がありました。美馬市にある医療法人芳越会事務局長の岩脇美和さんからは、地域の2次救急医療を担うホウエツ病院(病床数65床)の障害者雇用について、各部署からの業務の切り出し、ホワイトボードによるタイムスケジュールの可視化、全ての業務を対象としたカード式マニュアルの整備、体調変化などを把握しやすい業務日報の作成など、現場で工夫された様々なノウハウの紹介がありました。鳴門市にある医療法人敬愛会が運営する南海病院(精神科301床)の精神保健福祉士の法華伸午さんからは、障害者雇用に取り組むに当たって、ハローワークのほか障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターの専門機関の協力を得て、看護補助業務等の職域開発に取り組んできたこと、障害のある方が一緒に働くことで就労支援に関わる医療職の熱量にも変化が生じてきたことなどが報告されました。両病院とも、人材不足への対応として障害者雇用を活用してくことについて、病院トップの理解が得られたことで、現場の職員の理解も進んでいったようで、今では「いてくれないと困る」というように、戦力として期待されているそうです。雇用率達成のためという受け身の姿勢ではなく、医療職の働き方改革につなげていくという視点は、他の病院にも大変参考になるものでしょう。

なお、この会の事務局を担当している障碍者就業・ 生活支援センターわーくわくの佐野さんによれば、パネルディスカッションを視聴された当事者のみなさんからは、「分かりやすかった」「病院で働くのもええなー」といったお話をいただいたとのことです。

(資料)「医療機関での働き方」

 

○対馬障害者就業・生活支援センター講演会でのオンライン講演(2023年2月24日)

長崎県対馬市にある対馬障害者就業・生活支援センター主催(後援:ハローワーク対馬)による講演会「障害者雇用と多様性」が、令和5年2月24日に同市内の美津島文化会館で開催され、地元の企業や福祉事業所などから30人ほどが参加されました。

講演会では、最初に対馬障害者就業・生活支援センター就業支援担当の梅野颯也さんから「対馬障害者就業・生活支援センターの 紹介と活動について」報告があり、その後、当ネットワークの依田が「多様性の視点から考える障害者雇用と地域振興」をテーマにオンラインで講演を行いました。

対馬センターの支援地域は対馬市のみですが、市内には就労移行支援事業所も就労継続支援A型事業所もなく、就労継続支援事業所B型が4か所あるだけと、就労系福祉事業所も限られている状態です。障害者雇用できる事業所が少ない、障害者の雇用を支える支援機関も少ないといった問題点が指摘される一方で、人材不足による廃業や耕作放棄地の拡大といった地域が抱えている問題もあります。

こうした地域の特性を踏まえると、地元市や社会福祉協議会、商工会、農協、漁協等とも協働して、地域課題に対応する障害者雇用の職域開発を行うとともに、福祉的就労にとどめず一般就労につなげていく流れを作り出していくことが、障害者就業・生活支援センターの役割としても期待されていると感じました。

(講演資料)「多様性の視点から考える障害者雇用と地域振興」

 

○公的機関での障害者雇用についての交流会での講演(2023年2月10日)

愛媛県/南予地域就労支援ネットワーク連絡会の主催で、昨年度に続き「公的機関での障害者雇用についての交流会」がオンライン形式で2月10日に開催されました。愛媛労働局から県内の公的機関に声かけされたことともあり、愛媛県、7市1町、1広域事務組合、2国機関等から30名以上の方が参加されました。

愛媛労働局職業対策課地方障害者雇用担当官の川口隆靖さんの挨拶の後、話題提供として当ネットワーク代表の依田から「公的機関での障害者雇用の取組」についてお話しし、千葉県や神奈川県の教育委員会における障害者雇用の取組を紹介しました。また、愛媛県からは「愛媛県八幡浜チャレンジオフィスの障がい者雇用の取り組みについて」同オフィスのオフィスマネージャーの大野定武さんから報告がありました。

交流会では、公的機関の皆さんが日頃職場で悩まれていることについて質問があるなど、率直な意見交換が行われました。現場の課題として、公的機関は個人情報を取り扱うことが多いため、業務の切り出しに苦労しているとの声もありました。実際には、公的機関で個人情報の入力や個人情報の書類の廃棄などに従事している障害者はたくさんいますし、雇用には守秘義務が伴うことをきちんと説明すれば、ほとんどの人は理解できています。その上で、どうしても不安を感じる者には、個人情報に関わらない仕事を担当させれば良いでしょう。大切なのは、職員の「働き方改革」につながる業務を切り出す視点であり、職員アンケートをすれば、そのような業務が個人情報に関わらない業務にもたくさんあることが明らかになるでしょう。

交流会では、休みがちな者に対してどこまで配慮すべきかという悩みも出ました。障害者への対応というと、「福祉」的な発想で考えられがちですが、公的機関であっても賃金を払う「雇用」は、服務規程等の職場のルールが適用される世界です。雇用分野での「合理的配慮」は、職業人としての能力を発揮してもらうためのものであり、配慮をしても賃金に見合った働きが困難な場合には、雇用継続が難しいことは公的機関も民間事業所と変わりありません。

愛媛県では昨年に続く交流会でしたが、今年度は、沖縄労働局と宮城労働局でも地方公共団体を対象とした研修会が開催されました。労働局では「公務部門向け障害者職業生活相談員資格認定講習」を実施していますが、このような担当者レベルの研修とともに、組織内での障害者雇用の全体的なプランニングを行う人事部門を対象とした今回のような機会は、今後ますますニーズが高まっていくことでしょう。

(講演資料)「公的機関での障害者雇用の取組」

 

○新たな日常生活における障害者・高齢者アクセシビリティ配慮に関する国際標準化委員会への参加(2023年1月26日)

「新たな日常生活における障害者・高齢者アクセシビリティ配慮に関する国際標準化委員会」の第2回委員会が令和5年1月26日にオンラインで開催され、委員として当ネットワーク代表の依田も参加しました。新型コロナウイルスの感染拡大期においては、従来とは異なる生活が求められ、障害者や高齢者も大変不自由を強いられた面があります。将来、新たな感染症の拡大が生じた際に、過去の経験を活かした取り組みが迅速かつ円滑に行われるよう、この委員会では規格化の提案を行うことを目指しています。昨年9月に開催された第1回委員会では、対象となる「日常生活」の範囲に「医療」も含まれるという整理がされましたが、第2回委員会では適用範囲に「サービス(人的対応を含む)」が含まれることも確認されました。本委員会は来年度も引き続き検討が進められる予定です。

 

○気象庁「障害に関する理解の促進・啓発のための研修」での講演(2023年1月20日)

気象庁では障害者活躍推進計画において「庁内職員の障害に関する理解の促進・啓発のため、気象庁独自でも研修や講演会を行う」旨を定めており、本年度も研修会が開催され、「障害のある職員を受け入れることで進化する職場」をテーマにした講演を行いました。

研修会は昨年同様にteamsで行われましたが、気象庁本庁だけでなく、全国の管区気象台や地方気象台からもオンラインで100名以上の職員が参加されたほか、当日受講できない職員は講演録画を視聴できるようにされました。

講演後には意見交換の時間も設けられ、事前に提出された質問を中心に回答させていただきました。昨年暮れに改正された障害者雇用促進法で、事業主の努力義務に「職業能力の開発及び向上に関する措置」が追加されたことに関連して、職場での職業能力の開発について質問がありました。この質問に対しては、ここでいう「能力開発」は、必ずしも「仕事の種類」を増やすことではなく、個人の特性を踏まえて能力を最大限に生かして「職場の戦力」としていくことを意味する旨を説明しました。

「職場の戦力」となっていない背景には、障害の特性に合っていない仕事に従事させていたり、指示の仕方が適切でなかったりといった、本人以外に原因がある場合も少なからずあります。そうした状態を放置するのではなく、うまくできない原因を本人とともに探り、能力を発揮できるような仕事の種類変更や作業方法の改善について一緒に考え「職場の戦力」としていくことが、能力開発の目的と言えるでしょう。

気象庁では、こうした研修を全職員を対象に行うことで、障害のある職員が普通に一緒に働ける職場の文化を醸成することを目指しています。こうしたこともあって、次のステップとして「国機関職員の職場適応援助者養成セミナー」で障害者雇用に役立つ知識技術を学ぶ職員も、他省庁に比べて多い状況です。こうした取組は、公務部門の他の職場でも是非参考にしていただきたいです。

○南予地域就労支援ネットワーク連絡会主催オンライン研修会での講演(2023年1月18日)

愛媛県の南予地域就労支援ネットワーク連絡会の主催でオンライン研修会「医療機関での障がい者雇用について考える〜障がい者雇用を支える、そして雇用する立場から〜」が開催され、「医療機関と連携した支援体制づくり」をテーマにした講演を行いました。研修会には県外を含め30名ほどが参加しました。医療機関からの参加者は3病院5名ほどでしたが、参加者の半数ほどは医療機関を運営する法人が母体となっている就労支援機関等に所属していました。

講演後には、研修会の参加者と意見交換が行われました。就労支援機関の参加者からは、病院に障害者雇用を働きかけても「障害者にしてもらえそうな仕事は既に委託しているので、病院にはない」という反応があるとの指摘がありました。こうした病院の反応の背景には、障害者ができる仕事に対する固定観念があり、具体的には清掃関係の仕事がイメージされることが多いようです。しかしながら、看護師や薬剤師等の医療専門職の業務といった、医療機関の「本業」の仕事についても、その中から定型的な業務を切り出すことで、障害のあるスタッフが専門職を支え、病院の戦力となっている事例もあります。そのような他病院での障害者雇用の事例を紹介すると、専門職の障害者雇用に対するイメージも大きく変化することが多いのも事実です。支援機関の皆さんには、こうした好事例も紹介しながら、障害者雇用に対する固定観念の打破に取り組んでいただくことをお願いします。

(講演資料)「医療機関と連携した支援体制づくり」

 

○国の機関の職員に対する障害者職場適応支援者養成セミナーin 東京令和4年度第2回(2023年1月9日)

国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーの東京での令和4年度第2回目が、1月9日からAP市ヶ谷(東京都千代田区)で開催されました。3連休の最終日からという日程も影響し、国の機関からの参加者は7名に止まりました。令和元年度から東京と大阪の会場で開催されてきたセミナーも、今回で17回目を迎えました。この間のセミナー参加者からの質問に対する回答については、「公務部門の障害者雇用情報サイト」の「公務部門の障害者雇用Q&A」で紹介しています。

最近の受講生には、省庁職員の中で障害者雇用担当とされた方以外に、職場内ジョブコーチとして採用された方も増えている印象があります。前職として障害者就労移行支援事業所等の就労系の福祉施設や地方自治体の就労支援機関での勤務経験のある方、精神保健福祉士等の資格を有する方もいます。これまでの障害者を送り出す側から、公務部門の職場で障害者を受け入れる側に立場を変えることで、色々と見えてくることも多いと思います。両方の立場を体験した専門スキルのある職場内ジョブコーチが、これからの公務部門の障害者雇用の可能性を広げていくことを期待したいと思います。

(講演資料)「公的部門における職場適応支援者の役割①②」

 

○愛媛県「障がい者雇用創出事業」企業向け動画配信セミナーでの講演(2022年12月5日〜2023年3月31日)

愛媛県では、障害特性に応じた受入環境の整備等の企業向け支援を行うとともに、障害のある求職者のスキルアップを支援することにより良質な雇用を創出し、県内民間企業における障害者雇用の促進を図ることを目的として、令和4年度に「障がい者雇用創出事業」を実施しています。この事業の一環として、企業向けの障害者雇用セミナーがWEBによるセミナー動画配信により行われ、当ネットワーク代表の依田が「企業経営に活かす障害者雇用の経験とノウハウ」をテーマに講演を行いました。

(講演資料)「企業経営に活かす障害者雇用の経験とノウハウ」

WEBによるセミナー動画配信は、令和4年12月5日から配信され、令和5年3月31日まで行われます。対象となるのは愛媛県内の企業ですが、セミナー参加企業にはアンケート調査を実施し、セミナーの満足度や理解度のほか、採用ニーズや現場の課題・悩みについて把握分析を行うとともに、希望に応じて個別相談を実施し、当事業による専門家派遣、障害者就業・生活支援センター等による採用支援等につなげることとしています。

愛媛県障がい者雇用創出事業 企業向け動画配信セミナー(愛媛県内企業が対象)

 

○医療-福祉-企業の地域連携シンポジウムでの講演(2022年12月3日)

NPO法人全国精神保健職親会(vfoster)(理事長:中川 均)が主催する「精神・発達障害者を就労につなぐ医療-福祉-企業の地域連携を考えるシンポジウムinふくしま」が郡山商工会議所(福島県郡山市)で開催され、「精神科医療機関と連携した就労支援のネットワークづくり」をテーマに基調講演を行いました。会場には就労支援機関を中心に30名ほどの方が参加するとともに、ハイブリッド方式で福島県外を含め20名ほどの方がオンラインで参加しました。

基調講演では、令和4年診療報酬改定で創設された「療養生活継続支援加算」の活用により、精神科クリニック等の精神科医療機関と就労支援機関との連携が進むことを期待するとともに、関係機関のネットワーク構築を進める具体的な方法として、「地域連携就労支援パス」の作成について提案しました。

基調講演に引き続き、精神科医療機関のあさかホスピタルの系列のNPO法人アイ・キャン施設長の高橋豊さん(作業療法士)から「就労支援の実践から考える医療機関の役割とは〜具体的なプログラムと支援者の視点〜」、福島障害者職業センター主任カウンセラーの舩津正悟さんから「精神・発達障害者の安定就労のためのポイント」、NPO法人いわき市障がい者職親会の石山伯夫さんから「障害者雇用を支える地域の連携〜いわきでの取組〜」について実践報告があり、その後に「就労に結び付いていない精神・発達障害者を地域の労働力として迎え入れるには」をテーマにグループディスカッションが行われました。

(講演資料)「精神科医療機関と連携した就労支援のネットワークづくり」

 

○宮城労働局主催の公務部門における障害者雇用セミナーにおける講演(2022年12月2日)

宮城労働局主催の「公務部門における障害者雇用セミナー」が12月2日にハローワーク仙台会議室(宮城県仙台市)で開催され、「公務部門における障害者雇用〜成功への道筋〜」をテーマに講演を行いました。会場には県庁、教育委員会、市町村などから30名以上の皆さんが参加されました。

講演後の質疑では、公務部門では利用に制約のある支援サービスについて質問がありました。障害者職業センターでは公務部門の個別支援は行えないとされていますが、公務部門で行われる研修で講師をすることは可能とされているので、市町村等で企画した研修会に講師として来庁してもらう際に、職場でどのような業務の切り出しが可能か現場を見てもらい、専門家としてのアドバイスを受けることは可能である旨を説明しました。また、障害者就業・生活支援センターについても、就業支援は公務部門は対象外とされる一方で生活支援は可能とされており、就業支援と生活支援は密接に関係するため、センターによっては生活支援の位置付けの下に就業支援に関わるアドバイスも行っている実態があることを説明しました。この点はセンターによって厳格に考えるところもあるので、一概には言えませんが、まずは相談してみる価値があるでしょう。

このほかセミナーでは、株式会社C&Cウェルフェア(北海道江別市)代表取締役の横堀大さんから「障害者雇用におけるシステム構築について」報告があるとともに、ハローワーク仙台の精神障害者雇用トータルサポーターから「発達・精神障害者しごとサポーター養成講座」の説明がありました。横堀さんの会社では、ギフトカタログの手書きの配送申込書を障害のあるスタッフがデータ入力していますが、スタッフの能力に応じて入力作業を3種類に分けるとともに、1つの作業を2人が別々に行いダブルチェックすることで、ミスの発生を防止するようにしています。データ入力系の仕事は公務部門でも大量にあるため、市町村のみなさんも関心がある様子でした。

今回のセミナーは、今年6月に沖縄で開催されたものと同様に、労働局が主催して県や市町村を対象に開催されたものです。障害者雇用のノウハウを必要とされる県や市町村の皆さんにとっては、こうした研修の機会は大変貴重ですので、他の労働局にもこうしたセミナー開催の動きが広がることが期待されます。

(講演資料)「公務部門における障害者雇用〜成功への道筋〜」

 

○国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーin大阪令和4年度第2回(2022年11月24日)

国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーの大阪での令和4年度第2回目が、11月24日からドーンセンター(大阪市)で開催されました。セミナーには、国の6機関から7名が参加されました。参加者の中には、現場で1人の障害者の雇用支援を担当している方がいる一方で、その機関全体の障害者雇用を総括する立場の方もいました。このため講義では、既に雇用している障害者の定着支援だけなく、採用段階でのマッチングや配置方法などについても、お話ししています。採用時のマッチングを確認する職場実習については、これまで公務部門ではあまり行われていませんでしたが、精神障害者や知的障害者の雇用経験を重ねる中で、各府省でも必要性が認識されてきたようで、複数の機関から職場実習の導入を検討している説明がありました。

また、今回のセミナーでは、これまで東京と大阪で計16回開催されてきたセミナーで初めて、国の2機関から障害者雇用の事例発表があります。公務部門で同じ苦労をされている方の話には、何より共感できるものがあるため、今後は、こうした公務部門内での情報交換の機会も作っていく必要があるでしょう。

(講演資料)「公的部門における職場適応支援者の役割①②」

 

○鶴が丘ガーデンホスピタルの障害者雇用研修での講演(2022年11月11日)

東京都町田市にある精神科200床の鶴が丘ガーデンホスピタル(後藤晶子院長)で開催された障害者雇用研修において、「精神科医療機関の機能強化につながる障害者雇用〜今日から始める!病院の次のステップに向けて〜」をテーマにした講演を行いました。同院は昨年で開院50年を迎えましたが、開院当初からPSWを複数採用しチーム医療を進めるなど、精神科医療における先進的な取り組みを進めてきましたが、地域貢献の強化と労働者確保に向けた新たな取組みの一環として、障害者雇用に本格的に取り組むため、今回の研修が企画されました。研修には、後藤院長をはじめ各部門から職員34名が参加され、大変熱心に受講されていました。今回の研修は、第1回目のキックオフという位置付けで、第2回目は障害者雇用を実践している都内の精神科病院の方からお話を伺う予定です。長期入院する患者が減少する一方、企業等で働く精神障害者も増加する中で、病院が自ら障害者を雇用することで得る経験やノウハウは大きいでしょう。研修後に皆さんとお話しながら、多職種連携が進んでいる病院の強みも活かして、地域の障害者雇用を支える病院へと発展していかれる可能性を感じました。

(講演資料)「精神科医療機関の機能強化につながる障害者雇用〜今日から始める!病院の次のステップに向けて〜」

 

○ジグ活用事例ライブラリーの開設(2022年10月24日)

障害者雇用の現場では、心身の障害特性を踏まえて、各自の能力が発揮できる職務を割り当てる「マッチング」を適切に行うことにより、想定以上の生産性が得られる場合が少なくありません。

こうしたことに加え、障害の特性に伴う作業上の苦手な部分を補うために、ジグ(治具)という補助的な道具が活用される場合もあります。しかしながら、製造業等の他の産業分野に比べると、医療分野でのジグの活用はあまり知られていないのが現場です。

医療分野の業務は、病院が異なっても作業内容は共通しているものが多く、他院で開発された職域は自院でも導入できるものが多いという特性がありますが、このことはジグについても同様に言えることでしょう。

このため、先進的な医療機関で活用されているジグの事例を紹介する「ジグ活用事例ライブラリー」を新たに開設し、医療機関の皆さんの参考にしていただくことにしました。

「ジグ活用事例ライブラリー」

 

○全国就業支援ネットワークの研究・研修会での講演(2022年10月21日)

特定非営利活動法人全国就業支援ネットワークの第23回定例研究・研修会が10月21日と22日の2日間にわたり、あべのハルカス(大阪市阿倍野区)で開催されました。1日目には、当ネットワークの依田が「障害者雇用のこれから〜制度発足20年の立ち位置と視座〜」をテーマに基調講演を行いました。

障害者就業・生活支援センターは、厚生省と労働省が2001年に統合されるのに先立ち、両省の統合メリットが一番あるのは、障害のある方の働く支援環境の整備であるとの意識の下に、1999年度に試行事業をスタートさせ、2002年の障害者雇用促進法の改正で制度化されたものです。現在では全国に338センターが設置され、地域における障害者の雇用・就労支援の基幹的な役割が期待されています。

研究・研修会の1日目には、株式会社パプアニューギニア海産代表取締役の武藤北斗さんの「多様な働き方」についての基調講演も行われました。パート21名、社員3名に社長という年商1億円ほどの会社ですが、パートの募集時には全国から応募が殺到するなど、その内容は興味深いものでした。関心のある方は、武藤さんの書かれた本「生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方」(イースト・プレス)をご覧ください。

2つの基調講演後には、NPO法人ディーセントワーク・ラボ代表理事の中尾文香さんから「それぞれに合った働き方を考える」をテーマとした講演があり、武藤さんの取り組みの意義について、ディヴィッド・コルブの「経験学習モデル」を紹介しながら説明されました。

制度発足から20年を迎えたタイミングで、支援する立場の側に対して、主催者から投げかけた「その働き方、幸せですか?」という問いかけは、多くの支援者の心に宿題を残したようでした。

(講演資料)「障害者雇用のこれから〜制度発足20年の立ち位置と視座〜」

 

○水戸赤十字病院の障害者雇用研修会(第2回)でのジョブコーチからの事例発表等(2022年9月16日)

水戸赤十字病院(茨城県水戸市)で5月に開催された障害者雇用研修会に続き、第2回目の障害者雇用研修会が令和4年9月16日に同院で開催されました。研修会では、国立がん研究センター東病院ジョブコーチの小泉聡子さんから「国立がん研究センター東病院での障害者雇用の取り組み」について発表があった後、医療機関の障害者雇用ネットワーク代表の依田から「障害のあるスタッフと病院内ジョブコーチの確保方法」について補足説明を行い、その後に茨城障害者職業センター職業カウンセラーの熊田真弓さんから「茨城障害者職業センターが行う支援サービスについて」説明がありました。国立がん研究センター東病院では、オフィスオークという障害者雇用のチームに障害のあるスタッフ16名と専任のジョブコーチ2名(9月から3名)が所属しています。説明資料には、具体的な業務が写真入りで詳しく紹介されているほか、院内での新規業務の切り出し方、実習による適性の把握方法、障害のあるスタッフとの接し方・支援、困りごとやトラブルへの対応など、現場で障害のあるスタッフと働くジョブコーチならではの説明があり、これから障害者雇用を進めようと考えている病院には大変参考になるものでした。茨城障害者職業センターからは、病院が利用できる支援サービスについての説明があり、職業センターからのジョブコーチ派遣、企業在籍型ジョブコーチの研修、うつ病などによる休職からの職場復帰に向けたリワーク支援などの説明がありました。講演後の質疑応答では、看護部門、検査部門、リハビリ部門、事務部門などから多くの質問があり、障害者雇用を自分たちの問題として考えていこうとする意識が感じられました。

(資料)

「国立がん研究センター東病院での障害者雇用の取り組み」

「障害のあるスタッフと病院内ジョブコーチの確保方法」

「茨城障害者職業センターが行う支援サービスについて」

 

○東京都就労支援機関連携スキル向上研修でのe-ラーニング講義(2022年9月8日〜)

特定非営利活動法人WEL’s TOKYOが東京都から受託している令和4年度東京都就労支援機関連携スキル向上事業として行われているマッチングスキル等向上研修において、「経営者に響く『障害者雇用の効果』〜健康経営と多様性〜」をテーマとした講演を行いました。

障害者の就業支援担当者が直接に接するのは、企業の人事担当者ですが、人事担当者が障害者雇用を進めようとする際、社内で説得して理解を得るべき相手には、経営者のほか障害者を受け入れる職場の上司や同僚などがいます。障害者雇用を進める理由として、雇用率未達成といったコンプラ イアンスを理由にすると、現場の側には「押し付けられ感」が伴 い、障害者雇用にマイナスイメージを持たれがちです。障害者雇用に取り組むことが、職場の上司や同僚にとって、更には企業経営にとって、どのような意義やメリットがあるのか、「腹落ち」できる説明を人事担当者も必要としています。今回の講義では、最近企業の経営者の間で関心が高まっている「健康経営」とSDGsにも関わりの深い「多様性」という切り口で、障害者雇用の意義を考えてみました。

(資料)「経営者に響く『障害者雇用の効果』〜健康経営と多様性〜」

 

○認定看護管理者教育課程サードレベル研修(2022年8月15日)

独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)が実施している、日本看護協会の認定看護管理者教育課程サードレベルの研修が開講され、JCHO病院18病院のほか大学病院、公立病院、民間病院7病院から計25名が受講しました。昨年はコロナウイルス感染症の影響で中止になりましたが、今年はオンラインと対面を組み合わせて実施されることになり、「組織デザインと組織経営」の単元では、「働き方改革に資する障害者雇用」を素材に3時間の講義がオンラインで行われました。
講義の前半では、看護管理者として持つべき視座として、経営者の間で関心が高まっている「健康経営」と、SDGsにも関連する「多様性」について取り上げるとともに、その理解を深めるために、医療現場における障害者雇用の意義、障害者雇用の課題、障害者雇用の業務について、具体的な事例を含めて説明しました。
講義の後半ではグループワークを行い、(1)「働き方改革に資する障害者雇用」を自院で進めるならどのような業務を切り出すか、(2)自閉症スペクトラム(ASD)傾向のある看護職の適性に合う仕事は何か、の2つのテーマで話し合ってもらいました。
(1)のテーマでは、具体的な業務例の提案とともに、定型的な業務なら看護部にも豊富にある、看護職の負担が軽減される業務を職員アンケートで聞いてみてはどうか、といった意見が出ました。このほか、障害者雇用の支援者として、看護師長の定年再雇用者が登用されている事例について、複数の病院から報告されました。
(2)のテーマでは、定型的な補助業務ならできるものの、看護職として自己肯定感を持てるようにすることが必要、本人だけでなく周囲の看護職にも納得してもらえるような説明が必要といった意見が出ました。その上で、専門性が活かされ自己肯定感が持てる職場として、手術室、アンギオ室、内視鏡室などが提案され、実際にそのような職場に配属して長く安定して働いている事例も報告されました。このほか、細部のチェックが得意という特性を活かし、看護記録のチェックや投薬ミスの防止などを行う看護部長直属のスタッフとして活用するなど、新たな発想の提案もありました。このテーマは、看護管理者として直面することが多いだけに、受講生の皆さんも熱心に義論されていたのが印象的でした。
講義を通じて「職員の能力を活かした多様性のある組織文化」に関心をもち、その実践に取り組む看護管理者が増えていくきっかけになることを期待しています。

 

○国の機関の職員に対する障害者職場適応支援者養成セミナーin大阪令和4年度第1回(2022年7月20日)

国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーの大阪での令和4年度第1回目が、7月20日からドーンセンター(大阪市)で開催されました。セミナーには、国の機関から12名の方が参加されました。4年前から国機関職員を対象に計15回開催されてきたこのセミナーですが、これまでは東京と大阪の会場で開催されてきたため、宿泊の必要がない近県にある国機関の職員の受講が中心となり、それ以外の地域にある国機関からの受講は極めて少ない状況です。今回のセミナーでは、たまたま沖縄からの参加者がありましたが、今後は、こうしたセミナーを東京や大阪以外でも国機関が多い地域では開催し、各地にある国機関の職員が容易に参加できるようにしていく必要があるでしょう。

そのように各地の会場で研修会を開催する場合にも、中央の講師による講義はzoom録画を活用し、現地の講師による講義は対面で行うとともに、企業実習については現地の企業で行うような形にすれば、無理なく各地で開催できると思われます。国機関における障害者雇用の質を向上させるためにも、こうした研修が各地で開催されることを期待します。

(講演資料)「公的部門における職場適応支援者の役割①②」

 

○国の機関の職員に対する障害者職場適応支援者養成セミナーin東京令和4年度第1回(2022年7月11日)

国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーの東京での令和4年度第1回目が、7月11日からAP市ヶ谷(東京都千代田区)で開催されました。セミナーには、国の機関から12名の方が参加されました。令和元年度からスタートしたこのセミナーも4年目を迎えています。この間に中央官庁から多くの国家公務員が受講され、研修の成果を現場に持ち帰っていかれましたが、中央官庁では2〜3年で人事異動があるため、こうした研修は継続して行われる必要があります。今回の受講者には、以前のポストでも障害のある職員が同じ職場にいたという人も多く、中央官庁でも障害者雇用が身近な存在となってきていることが伺えます。そのような状況の中で研修に臨むため、障害者雇用についてもっと知りたいという思いも強く感じます。組織としての障害者雇用の経験が長くなるほどに、受講者の問題意識も明確になってきているので、研修で持ち帰ることができる情報やノウハウも多くなることが期待されます。セミナーは、講義から学ぶこと以外にも、他省庁の皆さんが率直に悩みや工夫を話し合う機会にもなっているようです。こうしたネットワークが研修後にも継続されれば、公務部門の障害者雇用の質も高まるのではないでしょうか。

(講演資料)「公的部門における職場適応支援者の役割①②」

 

○沖縄労働局主催の公務部門における障害者雇用セミナーでの講演(2022年6月3日)

沖縄労働局主催の「公務部門における障害者雇用セミナー」が6月3日に那覇第2地方合同庁舎会議室(沖縄県那覇市)で開催され、「公務部門における障害者雇用〜成功への道筋〜」をテーマに講演しました。会場に来場された20名ほどに加え、オンラインで県庁、教育委員会、市町村など40名以上の皆さんも参加されました。このほかセミナーでは、那覇市役所総務部人事課主査の普久嶺隆介さんから「那覇市役所における障害者雇用の取組み事例」について報告があり、今年度から新たに特別支援学校の実習受け入れを始めたことの紹介がありました。2月の沖縄気象台の研修でも講師をされた南部地区障害者就業・生活支援センターかるにあのセンター主任・就業支援担当の比嘉里美さんからは「障害者雇用のヒント 職務内容の設定、職場での関わり方」について説明があり、県立病院等での雇用事例について紹介がありました。ハローワーク那覇専門援助部門統括職業指導官の知念和佳子さんから「障害者雇用のための採用活動のポイント」について説明がありました。

民間事業所が利用できる就労支援サービスには、公務部門では利用に制約があるものも多いため、障害者雇用のノウハウを必要とされる支援担当者の皆さんにとっては、こうした研修の機会は大変貴重なもののようです、そのことは、今回のセミナーにオンラインで多くの公務部門の皆さんが参加されたことからも伺えます。こうしたニーズは公務部門に共通しているため、各地で同様のセミナーを企画する際にも参考となることでしょう。

(講演資料)「公務部門における障害者雇用〜成功への道筋〜」

 

○沖縄県立精和病院の障害者雇用研修での講演(2022年が6月2日)

沖縄県病院事業局が運営する6つの県立病院の1つで精神科病院の沖縄県立精和病院(沖縄県南風原町)が6月2日に開催された障害者雇用に関する研修会において、「病院での障害者雇用の進め方〜働き方改革に資する障害者雇用〜」をテーマにした講演を行いました。会場に集まった病院幹部職員に加え、オンラインで他の県立病院からも多くの皆さんが参加されました。90分の講演の前半では、各病院共通のメッセージとして、コンプライアンスの視点だけで障害者雇用を考え「働き方改革」の視点を持たないのは「もったいない」ことについて、具体的な事例を含めて紹介しました。講演の後半では、精神科病院にありがちな「雇用とデイケアの境目」が曖昧になることの問題点や、医療職が就労支援に関わる際の留意点について説明しました。講演後の意見交換では、精神科病院で支援している精神障害者は「雇用できない人」にならないのかとの質問がありました。患者さんの社会復帰に向けて日々取り組んでいる医療職の皆さんにとって、率直な疑問だと思います。この点については、個人の状態が社会復帰に向けたどのステージにあるかであり、「雇用できない人」ということではなく、雇用に進むのには「まだ時期が早い」かを考える必要があると補足説明をしました。合わせて、精神科病院以外に就労に関わる機関が地域になかった時代と異なり、今では就労に関わる様々な支援機関が地域に存在しているので、全てを精神科病院で対応するのではなく、地域にある就労支援機関に繋げていく視点が大切なことも指摘しました。精神科病院としては、適切な連携先を地域の中に見出し、自らも就労支援に向けた支援機関のネットワークの一員として、患者の社会復帰のための支援体制を構築していくことが期待されるでしょう。

(講演資料)「病院での障害者雇用の進め方〜働き方改革に資する障害者雇用〜」

 

○水戸赤十字病院の障害者雇用研修での講演(2022年5月30日)

水戸赤十字病院(許可病床数442床、診療科24科)の障害者雇用研修が5月30日に開催され、古宇田事務部長からの「日本赤十字社及び水戸赤十字病院の障害者雇用の現状について」の説明の後に「病院での障害者雇用の進め方〜働き方改革に資する障害者雇用〜」をテーマに講演を行いました。研修には、病院各部門の幹部職員30名程が参加されました。講演では、法定雇用率達成というコンプライアンスの視点だけで障害者雇用を考えるのは「もったいない」ことであり、医療職を含む職員の「働き方改革」につなげるような障害者雇用を目指す「攻めの姿勢」で臨むことを提案しました。多忙な医療職向けに講演時間は30分とコンパクトでしたが、講演終了後には国立がん研究センター中央病院の障害者雇用の紹介ビデオもご覧いただき、集中配置型の具体的なイメージをお示ししました。障害者雇用の中核を担う事務職の皆さんの姿勢も前向きで、今後の取り組みに期待が感じられました。

「病院での障害者雇用の進め方〜働き方改革に資する障害者雇用〜」

 

○「障がい者雇用を進めるための勉強会」での講演(2022年5月20日)

障がい者職場定着推進センターあしすと(鳥取県米子市)の主催する「障がい者雇用を進めるための勉強会」の第1回目が2022年5月20日にオンライン形式で開催され、「公務部門等における障害者雇用の進め方〜働き方改革に資する障害者雇用」をテーマに講演を行い、その後、あしすとの中島哲朗所長の司会で意見交換しました。勉強会には、鳥取県の知事部局、病院局、教育委員会に加え、民間事業所の方を含め40人が参加しました。

鳥取県の公務部門の実雇用率は、令和3年6月1日時点で知事部局3.32%、病院局2.63%、教育委員会2.53%といずれも法定雇用率を上回り、特に知事部局は全国で大阪府、福岡県に次ぐ3番目に高い数値となっています。その意味では「量の確保」の段階を過ぎて「質の確保」の段階にあると言えます。今後は、現状に満足することなく、他の自治体の取組も参考にしながら、より意義のある障害者雇用にチャレンジいただくとともに、そこでの経験やノウハウを民間事業所にも提供することを通じて、県全体の障害者雇用を充実していただくよう、エールを送らせていただきました。

(講演資料)「公務部門等における障害者雇用の進め方〜働き方改革に資する障害者雇用」

 

○ 気象庁の管区気象台での障害者の理解の促進・啓発研修(2022年2月18日〜3月22日)

気象庁では「気象庁障害者活躍推進計画」において「庁内職員の障害に関する理解の促進・啓発のため、気象庁独自でも研修や講演会を行う」旨を定めており、気象庁本庁での研修に続き、東京管区気象台(2月18日)、大阪管区気象台(2月25日)、沖縄気象台(2月28日)、仙台管区気象台(3月15日)、札幌管区気象台(3月22日)では、それぞれ管内の地方気象台等をオンラインで結ぶ形で研修会が開催されました。研修会の第1部では当ネットワーク代表の依田が東京管区気象台で行った「公的部門における障害者雇用の留意点〜働き方改革に資する障害者雇用の進め方〜」を録画放映し、第2部では各地の地元の就労支援機関の講師の方から地域の就労支援機関の役割と個別の支援事例について説明いただきました。

 

○「働きづらさをを抱える方の雇用マネジメント「事例に学ぶ」ワークショップ事業 事業報告&全国交流会」での座談会(2022年3月9日)

NPO法人全国精神保健職親会の主催による「働きづらさを抱える方の雇用マネジメント「事例に学ぶ」ワークショップ事業 事業報告&全国交流会」が2022年3月9日に東京都立産業貿易センターの会場とzoomのハイブリットで開催されました。当日のプログラムの中では、保健文化賞を受賞された金子鮎子さん(NPO法人ストローク会副理事長、NPO法人全国精神保健職親会理事)の受賞を記念した特別座談会が行われました。座談会には、1997年当時に厚生労働省障害者雇用対策課で金子さんの実践に触れた村木厚子さん(当時の課長)と依田(当時の調査官)が参加し、依田からは、精神障害者の雇用がメインになる時代においては、「健康経営」と「多様性」という文脈の中で「障害者雇用」を捉えていくことが大切だと問題提起を行いました。

(資料)「健康経営と多様性〜経営者の視点で考える障害者雇用〜」

 

○東京管区気象台における「障害に関する理解の促進・啓発のための研修会」での講演(2022年2月18日)

気象庁では「気象庁障害者活躍推進計画」において「庁内職員の障害に関する理解の促進・啓発のため、気象庁独自でも研修や講演会を行う」旨を定めていますが、その具体化として、気象庁本庁職員を対象に行われた研修会(2022年1月19日開催)に引き続き、2月18日には東京管区気象台で管区内の地方気象台とteamsでつなぐ形式で研修会が開催されました。会場には、東京管区気象台のほか気象衛星センターの職員も参加しました。2時間の研修会の第1部では当ネットワーク代表の依田が「公的部門における障害者雇用の留意点〜働き方改革に資する障害者雇用の進め方〜」をテーマに講演し、第2部では特定非営利活動法人WEL’S理事長の橋本一豊さんと就業・生活支援センター WEL’S TOKYOの仙石ゆうさんが、地域の就労支援機関の役割と個別の支援事例について説明しました。

他の管区気象台で行われる同様の研修会においても、東京管区気象台の第1部の講演録画を放映し、第2部では各管区気象台ごとに地元の就労支援機関が講演することとしています。気象庁では、障害者雇用の担当者に限らず、広く職員全体に研修の受講を呼びかけているため、第1部の講演では職員に身近な問題として「職場の多様性」からお話しを始めました。また、障害者雇用を進めることが、気象庁の提供するサービスの改善にも役立つなど、障害者雇用を進めることの意義について説明しました。

(講演資料)

第1部「公的部門における障害者雇用の留意点〜働き方に資する障害者雇用の進め方〜」

第2部「障害者雇用の現状」

 

○「健康経営と多様性〜障害の視点で考える職場の多様性〜」の研修での講演(2022年2月16日)

愛媛県四国中央市にある障害者就業・生活支援センタージョブあしすとUMAの主催で、「健康経営と多様性~障害の視点で考える職場の多様性~」についての研修会が2月16日にオンライン方式で開催されました(愛媛県障がい者一般就労移行等促進事業)。

当日は、当ネットワーク代表の依田から「健康経営と多様性〜新たな視点で考える障害者雇用〜」と題した講演を行いました。その後、四国中央市に本社のあるリュウグウ株式会社の森川竑太郎社長から「健康経営と障害者雇用の取り組みについて〜早期発見早期治療、みんなで安心して働ける職場づくり〜」と題した事例発表がありました。

企業での関心が高まっている「健康経営」と「障害者雇用」を関連づけた研修会やセミナーは、これまでほとんど開かれてこなかったように思います。そうした中で、今回の研修会には、地元企業13社から16人の方が参加されました。障害者雇用をテーマにした研修会やセミナーには、企業の参加者も人事課などで障害者雇用を担当している方が多いですが、今回の研修会は「健康経営」と関連づけたこともあり、取締役や部長クラスの方も参加されていました。

森川社長の事例発表では、「安心して生き生きと働ける職場づくり」は健康経営と障害者雇用に共通する要素であること、一つですべての人にマッチする取り組みはほとんどないが、誰も取り残さない組み方を考えたり、トライすることは可能であること」など、企業の皆さんにも参考となる指摘がありました。経営者のこうした認識は、「健康経営」を目指す企業の皆さんにも広く共有いただきたいものです。

(資料)「健康経営と多様性〜新たな視点で考える障害者雇用〜」

 

○「公的機関での障害者雇用についての交流会」の開催(2022年2月9日)

愛媛県/南予地域就労支援ネットワーク連絡会の主催で、「公的機関での障害者雇用についての交流会」がオンライン形式で2月9日に開催されました。愛媛県を始め県内の4市、警察本部、教育委員会、ハローワーク、就労支援機関などから40名の方が参加されました。

愛媛労働局職業安定部職業対策課地方障害者雇用担当の川口隆靖さんの挨拶の後、話題提供として3件の報告がありました。今治市人事課からは人事課分室での集約型の雇用事例、大洲市総務課からは分散型の雇用事例の紹介がありました。当ネットワーク代表の依田からは、他県の事例として埼玉県庁の集約型のスマートステーションflatの事例を紹介しました。

交流会では、愛媛県のチャレンジオフィスや各市の取り組みについての紹介がありました。3年間の期間限定の雇用としている職場では、一般事業所での就労に向けて、障害の自己理解や自己対処のスキルを身につける研修(SSTなど)を実施しているところもありました。採用段階で「就労パスポート」を作成し、その内容を更新し、一般事業所での採用時に活用する取り組みをしている職場もあります。

また、清掃作業員の公募にあたり、将来のスキルアップを意識して、業務内容に「その他事務補助業務」を入れている例もあります。PCを使えると、次に繋がりやすいことが理由です。

集約型の雇用をしている職場でも、作業状況を見た上で、庁内各課で必要とされる人材とマッチングを行い、事務補助(賃金アップ)にステップアップした上で他課に配置している例もあります。

集約型の職場は雇用数も多くなる中で、お互いの障害特性を理解できず職員間の関係性に苦労されている例や、一般職員への障害理解の伝え方の難しさなど、それぞれが抱えている課題も浮き上がりました。

地方公共団体のほかハローワークや就労支援機関も参加し、現場で感じている課題について意見交換する機会は、公務部門の障害者雇用を進める上で、とても有意義なものであると感じます。こうした取り組みが他の都道府県にも広がることを期待しています。

(資料)「話題提供① 公的機関での障害者雇用の取り組み」

 

○「働く広場」2022年2月号への記事掲載(2022年1月25日)

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が発行する月刊誌「働く広場」(発行部数52,000部)の2022年2月号の「私のひとこと」コーナーにおいて、当ネットワーク代表の依田の「障害者雇用に魅せられて〜医療機関・公務部門・健康経営〜」が掲載されました。

「障害者雇用に魅せられて〜医療機関・公務部門・健康経営〜」

「働く広場」は全国の5万以上の事業所や関係機関に配布されている障害者雇用の啓発誌です。障害者雇用に役立つノウハウや事例が紹介されており、これから障害者雇用を進める事業所や既に雇用している事業所にとっても、とても有益な情報が得られるものです。

事業所(医療機関を含む)には無料で送付してもらえますので、これまでご覧いただいていない事業所は、購読を申し込まれてはいかがでしょう。以下のアドレルに連絡して購読申込みができます。hiroba@jeed.go.jp

なお、「働く広場」はネットでも閲覧できます。最新号は前月の25日にアップされています。

「働く広場」2022年2月号

過去のバックナンバー

 

○気象庁本庁での障害に関する理解の促進・啓発のための研修会(令和4年1月19日)

気象庁では「気象庁障害者活躍推進計画」において「庁内職員の障害に関する理解の促進・啓発のため、気象庁独自でも研修や講演会を行う」旨を定めていますが、その具体化として、2022年1月19日に気象庁本庁職員を対象とした研修会が開催されました。新型コロナウイルスの感染拡大状況を踏まえ、研修会は対面ではなくteamsで行われ、当日視聴できない職員は講演録画を視聴できるようにされました。

今回の研修会は、障害者雇用の担当者だけでなく、広く職員全体を対象としたものであることから、講演の第1部では「障害の視点で考える職場の多様性」についてお話しした上で、第2部では「公務部門での障害者雇用」について講義しました。第1部では、職場には多様な人材が存在しており、多様性の一つとして「障害」があるという理解が必要なこと、多数派は「配慮」を受けていることに気づきにくいが、多数派も実際には「配慮」を受けているに気づくことが必要なことについて、ビデオ映像も使いなから説明しました。

気象庁では、全国に6箇所ある地方管区気象台でも同様の研修を行うことを計画しています。障害者雇用担当者を対象にした研修には「国機関職員の障害者職場適応支援者養成セミナー」などがありますが、職員全体を対象にした研修を実施している省庁はほとんどありません。障害のある職員が安定的に働けるためには、上司や同僚など同じ職場で働く職員の理解が不可欠です。今回のような研修会が他の省庁でも開催されるようになれば、公務部門の障害者雇用も新たなステージに進めるのではないでしょうか。

(講演資料)

第1部「障害の視点で考える職場の多様性」

第2部「公務部門での障害者雇用」

 

○国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーin東京 令和3年度第2回(令和4年1月17日)

国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーの東京での令和3年度第2回目が、1月17日からAP市ヶ谷(東京都千代田区)で開催されました。セミナーには、国の機関から19名の方が参加されました。国機関での障害者雇用が急速に増加してから3年が経過し、当初は障害者雇用の担当を突然命じられ障害者雇用を一から学ぶ職員も多かったですが、最近では障害者雇用を担当する中で感じる具体的な問題意識を持って受講される職員も増えています。また、職場の側でも、当初はほとんど行われなかった職場実習が行われるようになったり、配置についても集合型を取り入れる職場も増えてきました。障害のあるスタッフについても、職場に定着して戦力になっている人がいる一方で、任期が更新されずに職場を去っていく人もいます。そういう中で、新たに障害のあるスタッフを採用する場合には、マッチングの確認や地域の支援機関との連携が重要であることを、研修では繰り返し強調しています。職場の側も少しづつ軌道修正しながら、より安定的な就労が可能な状況に少しずつ近づいているように思われます。

 

○東京都就労支援機関連携スキル向上研修でのe-ラーニング講義(令和3年12月14日〜))

特定非営利活動法人WEL’s TOKYOが東京都から受託している令和3年度東京都就労支援機関連携スキル向上事業として行われているマッチングスキル等向上研修において、「企業を知る〜健康経営と多様性〜」をテーマとした講演を行いました。就労支援機関の担当者向けの研修ですが、「健康経営」「多様性」「SDGs」への対応といった企業の抱えている課題に対し、障害者雇用が大変効果的であることについて、企業の人事担当者に理解しやすく説明するためのスキルを身につけてもらうものです。

(資料)「企業を知る〜健康経営と多様性〜」

(動画)「企業を知る〜健康経営と多様性〜」(WEL’s TOKYOから提供)

 

○日本イーライリリー社の「D&I Day(week)」での講演(令和3年11月12日)

日本イーライリリー株式会社(神戸市)では、毎年11月に「D&I Day(week)」という期間を設け、任意で集まった社員がつくるワーキンググループがイベントを通じて、多様性の理解を広めるための活動を行っています。本年はPwD(People with Disabilities)で構成する社員グループ(名称: enAble)の依頼を受け、11月12日に「医療機関の障害者雇用ネットワーク」代表の依田が講演を行いました。講演は、東京支社からzoomで中継され、神戸市にある本社のほか各地の支店で1,000人ほどの職員が視聴されました。同社では、「ダイバーシティ&インクルージョンが『世界中の患者さんのより豊かな人生のため』という会社のパーパス達成の推移力になる」という理念の下、社員グループのenAbleや社員有志のヘンヅツウ部の取り組みなど、多様性についての理解を深めるための様々な活動を展開しています。また、自社内に限らず他社にも働きかけ、「わかりづらい健康課題『見えない多様性』に優しい職場をつくる」という啓発素材を作成するなど、その活動は大変興味深いものです。講演の最後には、多様な特性の組合せで職場を活性化する「カラフル企業」を目指すことをお勧めしましたが、それを実践している先進企業が同社であると感じました。

(講演資料)「『障害』の視点で考える職場の多様性」

 

○国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーin大阪 令和3年度第2回(令和3年10月21日)

国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーの大阪での令和3年度第2回目が、10月21日からドーンセンター(大阪市)で開催されました。セミナーには、国の機関から14名の方が参加されました。質疑応答では、在職中の障害者の定着支援について、就職前から支援をしてきた福祉施設による定着支援が、3年経過で継続できなくなると言われたことが取り上げられました。こうした問題は、就労移行支援事業所等の利用者が就職した場合、施設による「就業定着支援」が3年限度であることによるものですが、地域で定着支援を行う就業支援機関があれば、その機関に相談することも可能です。地域にある支援機関のうち障害者就業・生活支援センターでは、雇用保険を財源とする「就業支援」は公務部門では利用できない扱いですが、「生活支援」は公務部門の在職者も利用できます。また、都道府県や市の単独事業で設置されている就業支援機関では、公務部門も対象にしているところが多いので、相談してみると良いでしょう。

 

○国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーin大阪 令和3年度第1回(令和3年7月19日)

国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーの大阪での令和3年度第1回目が、7月19日から大阪私学会館とドーンセンター(大阪市)で開催されました。セミナー初日には、当ネットワーク代表の依田から「公的部門における職場適応支援者の役割」について2コマの講義を行いました。セミナーには、国の機関から16名の方が参加されました。今回の講義は、都合により東京からZOOMを使って行いました。事前に受講生から提出されていた講師への質問事項や開講式での各自の自己紹介からは、受講生それぞれが抱えている課題を知ることができました。公務部門での雇用率不適切算定が問題化してから丸3年近くとなり、国機関の職場でも障害者雇用の経験が蓄積されてきましたが、経験が増えるほどに現実的な課題が見えてきたり、新たに障害者雇用を始めたり新たな種別の障害者を雇用する職場もあることに加え、民間に比べ短期間で担当者が異動するなどの事情もあって、受講者の側も様々なニーズを抱えていることが分かります。受講者からの質問については、講義の中でできるだけ答えるようにするとともに、最後に15分程度、いくつかの質問に個別にお答えしました。講義時間内に取り上げられなかったものを含め、質問に対する回答を改めて整理した上で「公務部門の障害者雇用情報サイト」の「公務部門の障害者雇用Q&A」に追記することにしました(現在作成中)。

(講演資料)

公的部門における職場適応支援者の役割①〜働き方改革に資する障害者雇用の進め方〜」

公的部門における職場適応支援者の役割②〜公務部門での障害者雇用事例に学ぶ〜」

 

○宮城県立病院機構での講演(令和3年6月30日)

宮城県内で県立がんセンターと県立精神医療センターの2つの病院を運営している地方独立行政法人宮城県立病院機構は、6月30日に「令和3年度障害者雇用の推進に向けた職員研修」を開催し、当ネットワーク代表の依田が「病院での障害者雇用の進め方」をテーマに講演を行いました。研修には、機構の荒井理事長ほか機構本部や2病院の幹部職員40名ほどが参加されました。講演の中では、受講者の皆さんが具体的なイメージを持てるよう、医療機関での障害者雇用の実例を数多く紹介しました。特に、がん医療という共通点がある国立がん研究センター中央病院の障害者雇用については、10分ほどの紹介ビデオも上映しました。

講演後の質疑応答の中では、研究部門での障害者雇用の業務内容について質問がありました。パソコンを使う仕事としてはアンケート集計や定型的なデータ入力業務などがあり、実験系の仕事では実験器具や検体の準備や洗浄、後片付けなどがあることを紹介しました。また、精神科医療に特有な問題として、自院の患者を雇用することの適否についての質問もありました。担当する業務によっては全く問題ありませんが、ピアスタッフとして患者の支援に当たる職員については、患者と職員の二面性を避けるため、自院の患者は雇用せず他院の患者を雇用している例もある一方で、自院の患者をピアスタッフに登用している例もあるので、後者においてどのような配慮をしているかは参考になるでしょう。このほか、チーム就労を行う場合の作業室やジョブコーチについての質問もありました。作業テーブルを置ける小さな専用の部屋があるのが理想ですが、総務部門の大部屋の一画を仕切って作業コーナーにしている例もあり、チームの規模が小さい場合は、それでも対応可能でしょう。ジョブコーチは外部から採用する例もありますが、定年再雇用者を当てている例もあります。必ずしも専門職である必要はなく、事務職がなっている例もあります。いずれにしても、事前に障害者雇用担当者向けの公的機関の研修を受けておくと、安心してジョブコーチとして働けるでしょう。

民間企業より0.3ポイント高い雇用率が適用される地方独立行政法人には、障害者雇用に率先して取り組むことが求められています。今回の研修がきっかけとなり、地域の医療機関のモデルとなるような取り組みが2つの県立病院から始まることを期待しています。

(講演資料)

 

○国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーin東京の令和3年度第1回(令和3年6月7日)

国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーの東京での令和3年度第1回目が、6月7日からAP市ヶ谷(東京都千代田区)で開催されました。セミナー初日には、当ネットワーク代表の依田から「公的部門における職場適応支援者の役割」について2コマの講義を行いました。セミナーには、国の行政機関から21名の方が参加されました。講義では内閣官房人事局、厚生労働省及び人事院が作成した「公務部門の障害者雇用マニュアル」に沿った説明を行いますが、毎回の研修でもマニュアルの存在が必ずしも周知されていないことが窺われます。内容が充実して実践的なマニュアルであるだけに、活用されていないことを残念に思います。国家公務員は2〜3年で異動することが多いだけに、このマニュアルを活用いただくよう、受講者の皆さんにもお勧めしました。講義の中では、公務部門での障害者雇用の好事例として、経済産業省の業務支援室や埼玉県庁のスマートステーションflatについて、詳しくご紹介しました。集合配置により働き方改革に資する取り組みを実践されていることに、受講者の皆さんも関心を持たれた様子でした。

(講演資料)

公的部門における職場適応支援者の役割①〜働き方改革に資する障害者雇用の進め方〜」

公的部門における職場適応支援者の役割②〜公務部門での障害者雇用事例に学ぶ〜」

 

○気象庁でのweb講演(令和3年4月)

気象庁では障害者雇用を進めるために、各職場の管理者及び障害者雇用担当者を対象にした研修会をwebを活用して実施し、当ネットワーク代表の依田が「公務部門の障害者雇用〜成功への道筋〜」をテーマにした講演を行いました。

(講演資料)「公務部門での障害者雇用〜成功への道筋〜」

 

○「地方における公的機関の障害者雇用の在り方を考える」オンライン研修での講演(令和3年2月25日)

愛媛県の障害者就業・生活支援センターらが中心となって、「地方における公的機関の障害者雇用の在り方を考える」オンライン研修が令和3年2月25日に開催され、県内の地方公共団体、国機関、就業支援機関から50名ほどが参加されました。愛媛労働局職業安定部職業対策課地方障害者雇用担当官の三ツ井尚之さんの挨拶に続き、当ネットワーク代表の依田が「公務部門における障害者雇用の進め方〜成功への道筋〜」をテーマに70分ほどの講演を行いました。その後、愛媛県生きがい推進局障害福祉課在宅福祉係担当係長の高岡麻奈美さんから「えひめチャレンジオフィス」の実践報告がありました。「えひめチャレンジオフィス」は、愛媛県庁における障害者雇用の集中配置型の事業所で、県内6箇所の事業所で計33人(本庁で12人、3地方局で各5人、2支局で各3人)が会計年度任用職員として働いています。各部署から業務依頼を受け、事務補助業務や軽作業を実施しています。障害のある職員3〜4人に1人の割合で専属のマネージャーを配置し、支援に向けた計画書や手順書の作成を行っています。チャレンジ雇用の枠組みのため、最⻑3年間の間に様々な業務を通じて自信を付け、⺠間企業や県・市町等への就労(ステップ アップ)することを目指します。実践報告の最後には、支援機関へのお願いとして、早期からの就職に向けた相談等支援、生活面の安定支援、日頃からの連携・情報共有が指摘されました。この後、情報交換が行われ、県内の5市1町、県警本部、チャレンジオフィス、国機関から障害者雇用の取組状況について紹介がありました。このうち今治市では、集中配置型の事業所で8名の障害者が働いており、庁内から切り出した事務補助や軽作業の業務を行っていて、各職場からも喜ばれているとのことでした。えひめチャレンジオフィスや今治市のような集中配置型の事例が身近な県内にあることが分かり、研修後のアンケートでは、これまで分散配置型だったが集中配置型についても検討したいとの感想が多く寄せられました。

(講演資料)「公務部門における障害者雇用の進め方〜成功への道筋〜」

 

○週刊医学界新聞で「夢をつなぐDoctor’s Network」の紹介記事を掲載(令和2年12月21日)

週刊医学界新聞(医学書院発行)の第3401号(令和2年12月21日発行)において、当ネットワーク代表の依田が投稿した「障害を乗り越えて医療現場で活躍する」と題した記事が掲載されました。当ネットワークが事務局をしている「夢をつなぐDoctor’s Network」のについて紹介したものです。週刊医学会新聞は、全国の病院・医育機関等に約6万部発行されているため、多くの医療関係者に「夢をつなぐDoctor’s Network」のことを知っていただく機会になるかと思います。

(医学界新聞の掲載記事)

 

○日本職業リハビリテーション学会誌への記事掲載(令和2年12月)

日本職業リハビリテーション学会からの依頼で「公務部門の職場特性と障害者雇用の課題」を執筆し、12月に発刊された学会誌「職業リハビリテーション第34巻No1」に掲載されました。

「公務部門の職場特性と障害者雇用の課題」

 

○国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーin大阪での令和2年度第2回(令和2年11月25日)

国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーの大阪でのセミナーの令和2年度第2回目が、11月25日から大阪府立ドーンセンター(大阪市)で開催されました。セミナー初日には、当ネットワーク代表の依田から「公的部門における職場適応支援者の役割」について2時間講義を行いました。セミナーには、国の行政機関、司法機関から16名の方が参加されました。受講者とのやり取りの中では、支援機関がついていると定期的な面談を通じて職場では聴けない話も聞いてくれて助かるという意見がありました。一方、支援機関がついていない者では、定着がうまくいかずに出勤しなくなって困っているが、どこに相談すれば良いか分からないという相談もありました。定着がどうしても難しいケースでは、ハローワークに相談して離職に向けた支援をしてもらった報告もありました。障害特性と仕事のマッチングがどうしても難しいケースでは、離職して次の職場につなげる支援もあること、ハローワークでは関係支援機関と連携したチーム支援を行うこともあることなど紹介させていただきました。障害者の配置については、現状では分散配置のところばかりでしたが、今後は集中配置について検討したいという職場もありました。雇用から1年半以上経過する中で、現状を踏まえて軌道修正する必要性を現場で感じているように思われました。

 

○一般社団法人ダイバーシティ就労支援機構の「明るい話題」への掲載(令和2年10月14日)

一般社団法人ダイバーシティ就労支援機構は、日本財団からダイバーシティ就労支援研究プラットフォームを委託され事業を進めており、働きづらさを抱える方々に向けて保護就労から一般就労に至る多様な就労をサポートする活動を展開しています。活動の一環として、ホームページ上で「明るい話題」のコーナーを設けており、その記念すべき第1回に「医療機関の障害者雇用ネットワーク」の記事が掲載されました。

明るい話題「医療機関は仕事の宝庫です」

 

○東京都病院経営本部の障害者雇用セミナー(令和2年9月24日)

東京都では、高齢化の急速な進展など、医療を取り巻く環境が大きく変わる中でも、引き続き、行政的医療の提供や地域医療の充実への貢献など、都立病院が担うべき役割を安定的に果たし続けていくため、令和4年(2022年)度内を目途に、都立病院・公社病院を一体的に地方独立行政法人へ移行することとしています。

都立病院を運営する東京都病院経営本部では、地方独立行政法人への移行準備の一環として、都立病院の職員を対象に障害者雇用に関するセミナーを開催することになりました。新型コロナウイルスの影響からソーシャルディスタンスに配慮し、セミナーはオンライン形式で行われ、当ネットワーク代表の依田が講演を行いました。

動画で配信された講演では、医療現場で障害者雇用に取り組むことの意義や課題について説明した上で、国立がん研究センター中央病院・東病院の事例を中心に、医療機関で実際に行われている障害者雇用の事例を数多く紹介するとともに、先行事例のノウハウを集約する形で、医療機関での障害者雇用の「成功への道すじ」を説明しました。

(講演資料)「病院での障害者雇用の進め方〜働き方改革に資する障害者雇用〜」(一部掲載)

 

○認定看護管理者教育課程サードレベル研修(令和2年9月18日)
独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)が実施している、日本看護協会の認定看護管理者教育課程サードレベルの研修において、当ネットワークから講師として参加し、3時間の講義を行いました。研修には、JCHO病院を中心に大学病院や公立病院、民間病院13病院から14名の受講がありました。今年は、コロナウイルス感染症の影響で参加者も例年に比べて少なく、ソーシャルディスタンスに配慮して、例年実施しているグループワークも行いませんでした。講義では、医療現場で障害者雇用を進める意義や課題について説明するとともに、医療機関で実際に行われている障害者雇用の仕事を紹介しました。具体的な事例として、国立がん研究センター中央病院と東病院の事例もビデオ等で紹介するとともに、JCHO大阪病院での障害者雇用の取り組みの経緯を紹介しました。グループワークに替えて行った受講者から提出された質問回答に基づく意見交換では、昨年同様に自閉症スペクトラムの傾向のある看護師への対応が話題となりました。病棟勤務が難しかった人が手術室で落ち着いて働けるようになり、その後病棟に戻ってからも安定して働いている事例や、放射線科に異動してうまくいった事例の報告がありました。一方で、どうしても仕事が覚えられず、適当な異動先も見出せない中で、退職してもらうしかないと現場では考えている事例の報告もありました。こうした事例を抱えて苦労されている医療機関も少なくないようです。そのような場合でも、退職を促せばどうしても防御的・攻撃的になるので、まずは本人の立場に立って働き続けるための工夫を一緒に考える姿勢で臨み、色々工夫してもうまくいかないことを本人が納得した上で、自分の将来について適切な選択ができるよう支援することが大切でしょう。

 

○国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーin大阪での令和2年度第1回(令和2年8月27日)

国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーin大阪の令和2年度第1回(令和2年8月27日)国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーの大阪でのセミナーの令和2年度第1回目が、8月26日から大阪府立ドーンセンター(大阪市)で開催されました。セミナー2日目には、当ネットワーク代表の依田から「公的部門における職場適応支援者の役割」について2時間講義を行いました。セミナーには、国の行政機関、司法機関から21名の方が参加されました。受講者の中には、障害者職業センターのサービスが公務部門では利用できないと言われた経験をされた方もいて、一生懸命進めようとする気持ちを挫かれる思いだったと率直な意見もありました。現場でのより柔軟な対応が期待されるところです。

 

○日本財団主催の「就労支援フォーラムNIPPONオンライン緊急ミーティング」への登壇(令和2年8月26日)

日本財団の主催で「就労支援フォーラムNIPPONオンライン緊急ミーティング(ひるむな、私たち)」が令和2年8月24日から26日までの3日間開催され、最終日のパネルディスカッション「HOW TO遠隔就労支援〜移行支援から雇用管理まで〜」と「進化論〜変わるもの、変えてはならぬもの〜」に当ネットワーク代表の依田が登壇しました。

第1部のパネルディスカッションでは、精神障害者や発達障害者に活用されているWEB日報システムSPISについて、開発企業の有限会社奥進システム代表取締役の奥脇学さん、一般社団法人SPIS研究所理事長の宇田亮一さんが、オンライン画面上でSPISを実演する形で紹介しました。SPISの本質は、利用者、職場担当者、外部支援者の3者の閉鎖性のある空間の中で、利用者が安心して気持ちを表出でき、外部支援者が見守る中で職場担当者のスキルが高まることで、安定的なナチュラルサポートの形成が図れることにありますが、視聴者からの意見を見ると、その趣旨が視聴者にも伝わったようでした。

第2部のパネルディスカッションでは、日本財団の竹村利通さんの進行で、NPO法人WEL’S就業・生活支援センターWEL’S TOKYOセンター長の堀江美里さん、大阪精神障害者就労支援ネットワーク統括施設長の金塚たかしさんとともに、意見交換に参加しました。「健康経営」や「働き方改革」に対する関心が高まる中、社員の能力を引き出す会社、社員を大切にする会社が学生にも選ばれるようになってきています。そういう会社かどうかは、障害のある社員の状況に端的に現れるでしょう。その意味では、障害者雇用が「働き方改革」の推進剤になるという視点を、企業と支援機関が共有することが大切であることを、最後に指摘させていただきました。

 

○国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーin東京の令和2年度第1回(令和2年8月24日)

国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーの東京での令和2年度第1回目が、8月24日からTKP飯田橋ビジネスセンター(東京都新宿区)で開催されました。セミナー初日には、当ネットワーク代表の依田から「公的部門における職場適応支援者の役割」について2時間講義を行いました。セミナーには、国の行政機関、司法機関から35名の方が参加されました。講義の中では、「国の機関の障害者雇用の事例集」(令和2年6月)に掲載された6事例の中から、「職場実習を経験した知的障害者を雇用した事例」(経済産業省)、「外部機関から精神障害者就労支援を受けることにより、本人の適性に合った業務の遂行が可能になった事例」(内閣官房)、「集約型オフィスの設置により障害者が活躍しやすい職場づくりを行った事例」(外務省)についても紹介しました。経済産業省の受講者の方からは、事例集に掲載された知的障害者の雇用の取組と今後の方向についてお話しいただき、受講者の皆さんにはとても参考になったようです。

 

○「夢をつなぐDoctor’s Network」サイトの開設(令和2年3月7日)

 公益財団法人ヤマト福祉財団の令和元年度障がい者福祉助成金を受けて「医療機関の障害者雇用ネットワーク」が開設準備を進めてきた「夢をつなぐDoctor’s Network」のホームページが令和2年3月7日付で公開されました。
 このホームページは、医師を目指す障害のある学生や、中途障害で医師の仕事を続けることに不安を感じている方に役立つ情報を提供することを目的としています。
こうした皆さんの不安に応えるため、ホームページは、障害がありながら医師として活躍されている現職医師のメッセージやインタビュー記事を掲載する「先輩医師の紹介」コーナーのほか、合理的配慮や工夫事例の紹介、便利グッズや福祉機器の展示場検索、先輩医師への質問コーナーから構成されています。
公開時点ではまだ情報も少ないですが、これから更に「先輩医師」から経験やノウハウを提供いただきながら、皆さんに役立つ情報を発信していきたいと考えています。
現時点では「先輩医師の紹介」コーナーには、様々な障害のある11名の医師を掲載していますが、障害の種類も程度も様々ですので、紹介医師を増やしていく予定です。

 

○ 第21回兵庫県総合リハビリテーション・ケア研究大会での講演(令和2年2月15日)

兵庫県では、医療・保健、福祉、教育、雇用・就業などの関係者が地域リハビリテーション活動の推進を目指して、総合リハビリテーション・ケア研究大会を開催してきました。第21回となる今年の大会は、初めて「就労」をテーマに開催されました。令和2年2月15日に兵庫県民会館(神戸市)で開催された研究大会では、当ネットワーク代表世話人の依田が「障害者雇用の動向〜多様な働き方を目指して〜」というテーマで特別講演を行いました。特別講演に続いて、指定演題、パネルディスカッションⅠ、パネルディスカッションⅡ、一般口述演題が行われるなど、大変盛り沢山の内容でした。様々な関係機関が障害者の就労に向けて取り組んでいる実態が発表されるとともに、課題として連携の必要性が浮かび上がりました。特別講演でもお話しした「地域連携就労支援パス」の作成を通じて、地域の顔の見える範囲での連携構築が効果的であることを改めて感じました。医療機関、福祉施設、就業支援機関など所属機関は異なっていても、「就労」に取り組む中で変化・成長していく利用者の姿を見ることで、支援者の皆さんも「就労」に魅力を感じておられたのがとても印象的でした。

(講演資料)「障害者雇用の動向〜多様な働き方を目指して〜」

(資料)「地域連携就労支援パスの提案」

 

○岐阜県バーチャルメディア工房支援事業20周年記念フォーラムでの講演(令和2年2月14日)

長年にわたりITを活用した重度障害者の在宅就業支援と人材育成に取り組んできた特定非営利活動法人バーチャルメディア工房ぎふ(理事長:上村数洋)では、結成から21年を迎えたのを機会に、令和2年2月14日に大垣市情報工房において、20周年記念フォーラム「デジタル活用共生社会と重度障害者の雇用・就労(業)を考える〜すべての人が誇りを持って暮らせる社会に向かって〜」を開催しました。

セミナーでは「障害を感じさせない時代へ〜働き方の多様化と就労支援の進化〜」をテーマに講演を行いました。講演後には「重度障害者のはたらく・いきる・まなぶを考える」をテーマに、社会福祉法人東京コロニー職能開発室所長で東京都障害者IT地域支援センター長の堀米真理子さんのコーディトで、前大阪市職業リハビリテーション所長の乾伊津子さん、特定非営利活動法人リハビリテーションビレッジ代表の川村享平さん、バーチャルメディア工房ぎふの在宅就業障害者登録ワーカーの川崎直也さん、肢体不自由者朗読劇弾保護者の寸田さつきさんが参加したシンポジウムが行われました。

在宅就業障害者登録ワーカーの川崎さんは、筋ジストロフィー病棟に入院中で、On-Lineでの参加でした。入院中のため工房の活動にはあまり参加できていないそうですが、仕事ができていることにやりがいを感じているそうです。病棟では、各ベッドやデイルームには患者自治会が管理するインターネット配線があり、車椅子やベッドでパソコンを操作されています。快適に業務ができるよう、頭上にモニターとウェブカメラ、マイクを設置しており、主にメールやウェブカメラでやり取りをしているとのことでした。

(講演資料)「障害を感じさせない時代へ〜働き方の多様化と就労支援の進化〜」

 

○赤十字看護管理者研修における講演(令和2年2月3日)

全国で赤十字病院を運営する日本赤十字社は、人道や公平といった赤十字基本原則を踏まえた活動を展開しています。日本赤十字社幹部看護師研修センター(東京都渋谷区)では、全国の赤十字病院・施設から派遣された看護師等を対象に、赤十字の理念を教育の基礎とし、将来、病院の看護管理者として活躍できる人材を育成するための教育を実施しています。「令和元年度赤十字看護管理者研修Ⅲ」の研修の一環として、令和2年2月3日に当ネットワーク代表世話人の依田が「赤十字組織の経営〜働き方改革に資する障害者雇用〜」をテーマに3時間の講義を行いました。この研修は、サードレベル研修のカリキュラムに引き続いて行われるもので、看護副部長を中心に全国から26名の看護師が参加しました。

講義の後半ではグループワークを行い、「病院で障害者雇用を進める際、どのような仕事を担当してもらうと現場が助かり、看護部門の「働き方改革」につながるか」と「看護現場にいるコミュニケーション等に問題を抱える自閉症スペクトラム(ASD)のある職員に担当させられる仕事は何か」の2つの課題について受講生の皆さんで話し合ってもらいました。

第1の課題については、様々な業務が提案されました。障害者雇用に切り出しできる業務が看護部門に豊富に存在することを、受講生の皆さんにも十分理解いただけたことと思います。それぞれの病院に戻ってから、看護部門の働き方改革の一環として、こうした話し合いが行われることが期待されます。

第2の課題については、看護管理者として切実な問題であることが伺えました。業務の種類としては、手術室、透析室、内視鏡室など、他の病院グループの研修でも出ていた内容と同様な提案がありました。現実問題としては、「通常の看護業務を安心して任されない者に担当業務の変更をどう説明するか」「周囲の看護師から不公平だと不満が出ないためにはどうすれば良いか」といった点に皆さんの関心があるようでした。

障害があっても「できないこと」ではなく「できること」に着目して、能力を活かして活躍してもらう障害者雇用の発想は、人道や公平といった赤十字の基本原則にも合致するものでしょう。赤十字病院が障害者雇用の面でも地域のモデルとなることを期待したいと思います。

(講義資料)「赤十字組織の経営〜働き方改革に資する障害者雇用〜」

 

○令和元年度JKA補助事業報告会シンポジウムでの発表(令和2年1月25日)

特定非営利活動法人 全国精神障害者就労支援事業所連合会(Vfoster)が公益社団法人JKA補助事業により実施しているSPISの普及活動について、令和元年度事業報告会「精神・発達障害者の就労実現のためになすべきこと~合理的配慮のできる組織風土醸成」が令和2年1月25日にガイアート本社ビル(東京都新宿区)で開催されました。SPIS(Supporting People to Improve Stability)は、精神障害や発達障害のある方やメンタル不調のある方向けの雇用管理システムで、個人の特性に合わせて評価項目を設定できる日報形式のシステムになっており、働く当事者それぞれの特性に合わせて項目設定した日報をウェブ上で利用者本人、職場の担当者、外部支援者の三者で共有するものです。

報告会では、厚生労働省障害者雇用対策課の小野寺徳子課長から「障害者雇用の現状と対策」の行政報告、北里大学大学院医療系研究科産業精神保健学の田中克俊教授から「メンタルヘルス不調・精神障害をもつ方のマネジメントと産業医の役割」の基調講演、事務局からのSPIS利用者アンケートなどがあり、午後には当ネットワーク代表世話人の依田も参加して、パネルディスカッションが行われました。

資料

 

○障害者就労支援研修会での講演(令和元年12月6日)

兵庫県加古川市を中心に活動している社会福祉法人加古川はぐるま福祉会(代表者の高井敏子さんは当ネットワークのメンバー)は、地域の就労支援力向上を目指して、毎年「障害者就労支援研修会」を開催しています。令和元年度の研修会は12月6日に加古川市民ホール(兵庫県加古川市)で開催され、午前中は「障害者雇用の動向~多様化する現代の障害と生き方~」をテーマに代表世話人の依田が講演を行いました。午後は北播磨障害者就業・生活支援センター主任就業支援担当者の森一人さんが障害者就業・生活支援センターの取り組みについて講演されるとともに、当事者からのメッセージとして、株式会社スタッフサービス・ビジネスサポートでクラウドクルーとして働かれている長谷川雄輝さんと株式会社コダイで勤務されている三木優樹さんから、働くことで自己実現を目指す内容の発表がありました。その後、3つのグループに分かれて講師を囲んだディスカッションが行われました。研修会には、就労支援機関のほか、企業、行政、福祉、教育、医療など県内の広い範囲から130名が参加し、活発な意見交換が行われました。

(講演資料)「障害者雇用の動向〜多様化する現代の障害と生き方〜」

講演骨子

 

○「公務部門に関わる障害者雇用関係者連絡懇談会」の開催(令和元年11月18日)

特定非営利活動法人WEL’Sの主催による第1回「公務部門に関わる障害者雇用関係者連絡懇談会」が令和元年11月18日にちよだプラットフォームスクエア(東京都千代田区)で開催され、中央省庁や区の人事担当者、ハローワーク、就労支援機関等から49名が参加されました。会では、当ネットワークの依田から「公務部門の障害者雇用『成功への道筋』」について話題提供するとともに、東京都教育庁サポートオフィス「パレットの取り組み」について東京都教育庁総務部総務課の寺島さんから実践報告が行われた後に、5つのグループに分かれてグループでの意見交換が行われました。障害者雇用を進める事業所と障害者雇用をサポートする支援機関の皆さんが情報交換する機会は、民間事業所では従来から様々な形で設けられてきましたが、公務部門にはこのような機会はほとんどありませんでした。会が終了した後も、立ち去りがたくお話されている公務部門の皆さんの姿を見るにつけ、障害者の受入れに苦労されている皆さんのお話を伺い、支援機関の側が助言やサポートする機会が求められていることを強く感じました。東京や大阪はもとより、各地でこうした機会が作られていくことを期待しています。

話題提供資料

 

○国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーin東京の第3回(令和元年10月28日)

国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーの東京でのセミナーの第3回目が、10月28日からTKP東京駅日本橋カンファレンスセンター(東京都中央区)で開催されました。セミナー初日には、当ネットワーク代表世話人の依田から「公的部門における職場適応支援者の役割」について2時間講義を行いました。セミナーには、国の行政機関、立法機関、司法機関から33名の方が参加されました。会を重ねるごとに参加者が増え、また、関東以外の地域(北海道、宮城、愛知、広島、香川、福岡)からも参加者がありました。

講義資料

 

○認定看護管理者教育課程サードレベル研修(令和元年10月2日)

独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)が実施している、日本看護協会の認定看護管理者教育課程サードレベルの研修において、当ネットワークから講師として参加し、3時間の講義を行いました。研修には、JCHO病院を中心に大学病院や公立病院、民間病院22病院から23名の受講がありました。前半の講義では、医療機関が障害者雇用に取り組む意義を説明するとともに、実際に障害者が医療部門で働く状況について、国立がん研究センター中央病院の例を観ていただきました。後半ではグループワークを行い、(1)看護職の負担軽減のために知的障害や精神障害のあるスタッフ4~5人のチームに仕事を発注するとしたら、どのような仕事をお願いしたいか、(2)職場でコミュニケーション等に問題のある自閉症スペクトラム(ASD)の看護職がいた場合、どのような仕事なら頑張ってもらえそうか、という2つのテーマで意見交換をしてもらいました。

(1)のテーマについては、講義資料に掲載されている業務のほか、薬剤部から病棟に届く患者ごとの1週間分の薬剤を各回分に分ける作業のほか、定数管理している病棟の備品数の確認、病棟での薬剤等の期限切れの確認など、現場で助かる業務について様々な意見が続出しました。前半の講義で解説した、業務の切り出しが看護師の「働き方改革」につながるという趣旨が理解され、自分たちの問題として前向きに意見が交わされる姿が印象的でした。

(2)のテーマについては、手術室、透析室、放射線室、内視鏡室なら、コミュニケーションが苦手でも働けて、専門資格も取得できるためモチベーションが持てるといった意見がありました。一方で、中央材料部門やME室などで看護師でなくてもできるような業務だと、周りの看護職から「同じ給料をもらっているのにおかしい」という批判が出るとの指摘がありました。看護部長室に配属して事務補助業務をさせることにも、同様の問題があるとの意見がありました。こうした意見に対して、一般的な看護業務のほかにも、感染制御や医療安全など看護職の専門性が不可欠な業務もあり、そうした業務を集めて1人分の仕事を作り出すことも可能でないかとの意見が出て、受講者の皆さんも賛同されました。このように看護職としての一纏めの仕事を作り上げ、周りの看護職にきちんと説明して理解を求めることも、看護管理職の大事な役割だという結論になりました。このやり取りを聞いていて、障害者雇用のノウハウが、現職の看護職の抱える問題の解決にもつながることを、改めて感じさせられました。

講義資料

 

○「公務部門の障害者雇用情報サイト」の開設(令和元年9月23日)

公務部門で障害者雇用を先進的に進めておられる皆さんの協力の下に、国や地方公共団体等で障害者雇用に取り組む上で役立つ情報を提供するため、「公務部門の障害者雇用情報サイト」を開設しました。本サイトにおいては、公務部門の障害者雇用に関する国の指針・通知・マニュアル等のほか、公務部門の障害者雇用の事例、現場に役立つノウハウなど、幅広い情報を発信をしていきます。

「公務部門の障害者雇用情報サイト」

 

○日本職業リハビリテーション学会のワークショップでの報告(令和元年8月24日)

令和元年8月23日、24日の2日間、立命館大学茨木キャンパス(大阪府茨木市)において日本職業リハビリテーション学会が開催され、24日には大会主催ワークショプ「企業現場の定着支援~SPIS活用法~」が行われました。ワークショップでは、雇用事業所と支援事業所の双方の視点で、島津製作所の境浩史さん、全国土木国民健康保険組合の町田睦夫さん、金沢市の自立支援センターいしびきの早川奈緒美さんからSPISの活用事例の報告があり、それを踏まえて「遠隔支援による定着支援の課題と可能性」についての課題整理と問題提起を行いました。時間の都合で会場との意見交換ができなかったのは残念でしたが、発達障害者等の就職に際しての利用やうつ病の在職者の休職後の利用など、様々なタイプへのSPISの活用可能性が感じられたワークショップでした。

(報告資料)「遠隔支援による定着支援の課題と可能性」

 

○精神障がい者就業・生活支援セミナーでの講演(令和元年8月7日)

令和元年度の愛媛県障がい者一般就労移行等促進事業として、愛媛県と南予地域就労支援ネットワーク連絡会の共催により、宇和島市で開催された「精神障がい者就業・生活支援セミナー」において、第1部では「精神障がいへの支援の動向~多様な働き方を目指して~」、第2部では「公的機関・医療機関における就労支援~障がい者雇用の現場から~」と題した講演を行いました。

午前の講演では、昨年取りまとめられた「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会報告」以降の動向について振り返るとともに、精神障害者の定着支援を支える遠隔支援の可能性について、SPISの活用事例の紹介を含めて説明しました。

午後の講演の前半では、公務部門の障害者雇用の課題と可能性について話しました。国機関には「公務部門における障害者雇用マニュアル」(内閣官房人事局、厚生労働省、人事院)が本年3月に示されていますが、このマニュアルは総務省から地方公共団体にも示されていることから、マニュアルに沿った説明を行いました。後半では、医療機関の「働き方改革」に資する障害者雇用の進め方について、国立がん研究センター中央病院の障害者雇用の様子をビデオで紹介しながら説明しました。

国の出先機関や地方公共団体からの参加者からは、既に雇用した者の対応に苦労されていることなど、同じ課題を抱えている行政機関同士の情報交換の機会を求める声が上がっていました。

セミナー翌日には、愛媛労働局と愛媛県庁を訪問し、公務部門の障害者雇用について意見交換を行いました。愛媛県庁では、今年6月に開設した「えひめチャレンジオフィス」も見学させていただきました。

(講演資料)

第1部「精神障がいへの支援の動向〜多様な働き方を目指して〜」

第2部「公務部門の障害者雇用の課題と可能性〜「働き方改革」という視点〜」

第3部「医療機関の「働き方改革」に資する障害者雇用の進め方」

 

○赤十字施設看護管理者・教育研修会での講演(令和元年7月2日)

日本赤十字社本社(東京都港区)において7月2日に開催された、赤十字医療施設及び赤十字教育施設の看護管理者を対象とする研修会において、当ネットワーク代表世話人の依田が「働き方改革に資する障害者雇用の進め方」をテーマに1時間の講演を行いました。研修会には、全国の赤十字医療施設と看護専門学校から師長クラスの看護職90名以上が参加したほか、本部の人事部門からも聴講者がありました。「看護職の働き方改革に資する障害者雇用」の面でも、赤十字病院が地域にモデルを示すとともに、看護職の教育課程の中でも、障害者に対する理解を深める取り組みが期待されるところです。

講演資料1

講義資料2

 

○国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナー(令和元年6月18日)

「公務部門における障害者雇用に関する基本方針」(平成30 年10 月23 日公務部門における障害者雇用に関する関係閣僚会議決定)においては、障害者の職場適応が円滑に進むよう個別的なサポートを行うため、国の機関の職員の中から選任された支援者に対して、支援に必要なスキルを習得するためのセミナーの受講機会を提供することとされています。厚生労働省の委託により、令和元年度は東京で4回、大阪で2回セミナーが開催されますが、最初のセミナーが6月18日に大阪ドーンセンターで開催されました。5日間にわたるセミナーの初日に、当ネットワーク代表世話人の依田から「公的部門における職場適応支援者の役割」について2時間講義を行いました。これまで障害者雇用の経験がなかった方が大半でしたが、講師の説明にも頷きながら真剣に受講される姿が印象的でした。

(講義資料)

 

○神奈川県内の公立病院との意見交換(令和元年6月7日)

神奈川県内の公立病院の依頼で病院を訪問し、病院長、管理部長以下の病院幹部に「医療機関の「働き方改革」に資する障害者雇用の秘訣」についてお話した後、意見交換しました。当該病院では、新病院への移転建て替えに当たり、障害者雇用についても本格的な展開を考え、チーム就労による障害者雇用も視野に入れて検討しているそうです。今後は、先進事例の視察で具体的なイメージを得た上で、ジョブコーチの配置など院内体制を構築していくことが期待されます。

(説明資料)

 

○さんぽ会(産業保健研究会)での遠隔支援についての発表(令和元年5月9日)

産業医や企業の産業保健スタッフ・人事担当者、健康保険組合など、産業保健に関わる様々な関係者が 集まって毎回活発に発表、議論している産業保健研究会(さんぽ会)は、5月9日の月例会においては「自立と関係性を高める支援~精神・発達障害の就労支援から始まったSPIS(エスピス)に学ぶ」をテーマに開催されました。

障害者雇用の現場で開発された自己管理/就労支援のためのWeb日報システム「SPIS(エスピス:Supporting People to Improve Stability)」は、延べ150社以上700名以上が利用し職場定着に高い実績を上げていますが、近年、メンタル不調の一般雇用社員の復職支援にも活用されています。

今回の発表者は4人で、SPIS研究所理事長の宇田亮一さんから「なぜ、SPISはメンタルヘルス不調者の就労定着に役立つのか」を説明したのに続き、島津製作所人事部マネージャーの境浩史さんと全国土木建築国民健康保険組合人事課係長の町田睦夫さんから、うつ病の復職職員や発達障害の採用職員に対するSPISの活用事例と効果について報告し、最後に当ネットワークの依田晶男から「遠隔支援による定着支援の課題~SPISの経験から~」をテーマに今後の課題について発表しました。

クラウド型のWeb日報システムであるSPISは、本人・人事担当者・外部支援者の三者で本人の状況を把握できる情報共有ツールであることから、従来の定期訪問的で事後対応になりがちな「定着支援」のあり方を大きく変える可能性を持つものだと感じています。

「遠隔支援による定着支援の課題~SPISの経験から~」

 

○公務部門における障害者雇用のページの開設(令和元年5月9日)

 

○独立行政法人地域医療機能推進機構の事務職員新人研修での講演(平成31年4月10日)

独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)は、従来国から民間団体に委託運営されてきた社会保険病院、厚生年金病院、船員保険病院の計57病院を運営する組織として、2014年4月に発足しました。発足以来、初めてとなる100名以上の事務職員の採用を機会に、東京にあるJCHO本部で10日間にわたる新人研修が行われました。その一環で4月10日には「障害者への理解・支援と職場環境の改善」をテーマとした講演を2時間ほど行わせていただきました。講演では、病院で働くことになる事務職員に対し、病院を訪問する患者や家族に対する配慮とともに、病院で同僚として働く障害のあるスタッフへの理解を深めることが、病院経営への貢献にもつながることをお話しました。新人研修では、経営側として学んで欲しい様々なことがある中で、障害について理解する機会を設けられたことには、将来の病院経営を担う事務職員の育成に対する並々ならぬ強い思いを感じさせられました。

(講演資料)

 

○独立行政法人労働者健康安全機構の障害者雇用研修会での講演(平成31年3月19日)

独立行政法人労働者健康安全機構は全国にある労災病院を運営している法人ですが、平成31年3月19日に機構本部(神奈川県川崎市)において障害者雇用に関する研修会が開催され、当ネットワーク代表世話人から「労働者健康安全機構における障害者雇用の課題と展望~働き方改革に資する障害者雇用~」をテーマとした講演を行いました。研修会には同機構の理事長をはじめ機構本部の役職員、隣接する関東労災病院を含め約70~80名の参加がありました。

(講演資料:一部抜粋)

 

○文部科学省国立教育政策研究所での障害者雇用勉強会(平成31年2月8日)

文部科学省国立教育政策研究所が公務部門の障害者雇用について情報収集するための勉強会に参加し、公務部門における障害者雇用の進め方のポイントについて説明し、意見交換を行いました。

 

○平成30年度JKA補助事業報告会でのSPISに関する報告(平成31年1月25日)

特定非営利活動法人 全国精神障害者就労支援事業所連合会(Vfoster)が公益社団法人JKA補助事業により実施しているSPISの普及活動について、平成30年度事業報告会「精神・発達障害者の就労定着のために~障害者雇用のあり方と職場の取組を考える」が平成31年1月25日に東京都品川区の人事労務会館で開催されました。報告会では、島津製作所と全国土木建築国民健康保険組合からSPISの利用についての事例報告がありました。全国土木建築国民健康保険組合の事例は、同組合が運営する病院や健康管理センター等の健診の際に提出される問診票データの入力業務を対象に、発達障害のある職員を新規に雇用した際、採用以前から就労移行支援事業所で利用されていたSPISを引き続き導入した事例の報告でした。

その後、当ネットワーク代表世話人の依田から「SPISを使って分かったこと&遠隔支援の普及の課題」と題した報告を行いました。SPISのような遠隔支援システムは、限られた就労支援の専門職を有効活用する点でも、複数の病院や診療所を運営する医療機関などでは特に効果的と思われます。また、SPISによる「見える化」を通じて、一見問題がなさそうでも課題を抱える社員の存在に目が向けられるようになれば、メンタル面に課題を抱える社員にも働きやすい職場環境ができることにも繋がると思われます。

「SPISを使って分かったこと&遠隔支援の普及の課題」

 

○これからの福祉と医療を実践する会の講演(平成31年1月18日)

一般社団法人これからの福祉と医療を実践する会の例会に講師として招かれ、「障害者雇用への見方を変える~福祉医療の現場に歓迎される障害者雇用」をテーマとした講演を行いました。この会は医療機関を中心とした勉強会組織で、毎月一回の例会を開催しており、当日の受講者も医療機関の事務部門の方が中心でした。医療機関の方を中心とする講演でしたので、「障害者雇用に対する医療機関の懸念」「やってみて実感された障害者雇用のメリット」「障害者雇用の失敗の原因」「医療機関の障害者雇用の成功への道筋」など、医療機関での実例を参考とした具体的なお話をさせていただきました。講演後の意見交換では、受講された方から「地域の病院の事務部長の集まりで障害者雇用の話題が出ると、知的障害者を雇用したが現場の負担が大きくて大変だったような話ばかり出てくるので、自分も障害者雇用については消極的だったが、今日の講演を聞いて考えが大きく変わった。医療機関では、こうした話を聞く機会が今までなかったが、もっと地域の医療機関の関係者に聞いてもらうようにしたい」とのご意見をいただきました。

(講演資料)

 

○「職員の募集及び採用時並びに採用後におい​て障害者に対して各省庁の長が講ずべき措置​に関する指針案に対する意見」の提出(平成30年12月11日)

公務部門での障害者雇用の問題に関連して、人事院では国家公務員における合理的配慮に関する指針を策定することとし、平成30年11月30日付で「職員の募集及び採用時並びに採用後において障害者に対して各省庁の長が講ずべき措置に関する指針案」に対する意見を公募しました。これに対して、12月11日付で人事院に意見を提出しました。

(意見)

 

○ヤマト福祉財団ニュースでの紹介

ヤマト福祉財団は、心身に障がいのある人々の「自立」と「社会参加」を支援することを目的に、1993年9月に設立された公益財団法人です。同財団は、クロネコヤマトの「宅急便」を開発、成功させたヤマト運輸の社長、会長を歴任された故・小倉昌男氏が会社役職の一切を退かれた際に、個人資産の大半を寄付して創られました。財団ニュース60号(2018年10月20日発行)のリレーコラムにおいては、当ネットワーク代表世話人の依田の小倉氏との思い出に触れた記事が掲載され、当ネットワークについても紹介させていただきました。

(リレーコラム夢をつないで「共感の輪を広げよう」(ヤマト福祉財団ニュースNo.60)

 

○認定看護管理者教育課程サードレベル研修(平成30年10月17日)

独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)が実施している、日本看護協会の認定看護管理者教育課程サードレベルの研修において、当ネットワークから講師として参加し、3時間の講義を行いました。4年目となる今年度の講義では、「健康経営」と障害者雇用の関係について紹介するとともに、医療機関での障害者雇用を進める際には、法定雇用率の達成に看護部が協力するという受け身の姿勢ではなく、医療従事者の「働き方改革」の一環として、看護職が国家資格の必要な業務に専念できるための方策として、障害者雇用を積極的に活用する姿勢が重要であることを強調しました。また、最近では看護現場でも自閉症スペクトラム(ASD)のある職員への対応が課題になってきていることから、自閉症スペクトラム(ASD)の傾向のある看護職への対応について取り上げました。講義の後半では、(1)看護職の業務負担を軽減するため、知的障害や精神障害のあるスタッフにお願いしたい業務、(2)自閉症スペクトラム(ASD)のある職員に担当させられそうな業務、についてグループワークを行いました。看護部門のトップリーダーを目指す受講者だけに、意識の高い意見が交わされ、また、実際に自閉症スペクトラム(ASD)のある職員の対応に苦労されている病院からは、経験に基づく有意義な意見も出されました。研修には、JCHO病院のほか労災病院、大学病院、自治体病院、厚生連病院、民間病院など、26病院からの参加がありました。こうした長期間の研修で築かれた看護管理職のネットワークを通じて、障害者雇用や自閉症スペクトラム(ASD)のある職員への対応など、各病院が抱える課題について情報交換され、ノウハウが共有化されていくことを期待したいです。

(講義資料)

 

○精神障がい者就業・生活支援フォーラムでの講演(平成30年8月30日)

平成30年度の愛媛県障がい者一般就労移行等促進事業として、南予地域就労支援ネットワーク連絡会と愛媛県の共催により西予市で開催された「精神障がい者就業・生活支援フォーラム」において、「精神科医療機関と連携した就労支援のネットワークづくり」と題した講演を行うとともに、ディスカッションの司会を行いました。講演の冒頭では、行政機関での障害者雇用の水増し問題について、拙速な数合わせ的な雇用を行うことは、働く障害者にも雇用する行政機関にも将来に大きな「負の遺産」を残しかねないことを指摘した上で、業務の切り出しや職場実習を通じて適切なマッチングを行い、本人の能力を発揮できる職場に受け入れることが大切であること、中央官庁の問題でも国の出先機関は全国にあるので、各地の就労支援機関に積極的に関わっていただきたいことをお願いしました。講演では「障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会報告書の提案と精神障害者の雇用実態」「20時間未満の超短時間雇用という働き方」「医療機関と就労支援機関の連携と地域のネットワークづくり」「企業の抱える課題への対応 うつ病のリワークと自閉症スペクトラム」「健康づくりや障害者雇用に前向きな中小企業の認証」について、2時間ほどお話しました。

午後は、ハローワーク松山上席職業指導官の宮本吉康さん、宇和島病院医師の渡部亜矢子さん、株式会社グロップサンセリテ(グロップの特例子会社)統括部長の高田正吾さんからの事例報告があり、その後、障がい者就業・生活支援センターエール(新居浜市)の村尾勉さんも加えて、ディスカッションを行いました。フォーラムの参加者は60名ほどで、医療機関からは宇和島病院を含む県内5病院からの参加がありました。

(講演資料)

第1部(1) 第1部(2) 第2部  第3部(1) 第3部(2) 第4部  第5部

 

○ドラッグストアの薬剤師向け月刊誌「DRUG magazine」への掲載(平成30年4月4日)

ドラッグストアの薬剤師向け月刊誌「DRUG magazine」(クリニックマガジン社発行)の2018年4月号の「インタビュー」コーナーに、当ネットワーク代表世話人依田晶男のインタビュー記事「障害者雇用を進めると周囲の職員の働く姿勢も変わる」が掲載されました。薬剤師を配置して処方箋に応需し、かかりつけ薬局を目指すドラッグストアでも、法定雇用率への対応が課題となっています。加えて、人材確保等の面から障害者雇用に積極的に取り組むドラッグチェーンも出てきているそうです。インタビューでは、当ネットワークのホームページについて紹介し、ネットワークを通じて障害者雇用の体験を共有することの大切さについて、病院での具体的な雇用事例も紹介しながら解説しています。また、障害者雇用の有無が職場復帰者の定着率に影響するという調査結果を紹介し、「健康経営」の実現に欠かせないメンタルヘルス環境の改善に障害者雇用の体験を共有することの大切さについて、病院での具体的な雇用事例も紹介しながら解説しています。また、障害者雇用の有無が職場復帰者の定着率に影響するという調査結果を紹介し、「健康経営」の実現に欠かせないメンタルヘルス環境の改善に障害者雇用が効果的であることを説明しています。障害者雇用の促進という社会的な要請の高まりに応えるだけでなく、「対人」が主軸である医療提供施設である薬局の接遇改善にもつながるとの雑誌編集部のコメントには、大いに共感させられました。

 

○臨床医向け月刊誌「CLINIC magazine」への掲載(平成30年3月1日)

臨床医向け総合情報月刊誌「CLINIC magazine」(クリニックマガジン社発行)の2018年3月号の「視点」コーナーに、当ネットワーク代表世話人依田晶男のインタビュー記事が掲載されました。タイトルは「障害者雇用で病医院の効率性と生産性が向上、職員満足度も高まる」です。当ネットワークの設立の趣旨や医療機関での障害者雇用業務の具体例、健康経営の実現にも関係することなどを説明しています。当ネットワークのホームページについても紹介しています。今回の企画は、2018年4月からの法定雇用率の引き上げを控え、医療機関で障害者雇用に対する関心が高まっていることが背景にあります。今後とも、病院だけでなく規模の小さなクリニックでも、障害のあるスタッフが働ける仕事がたくさんあること、障害のあるスタッフが働くことで職場にも様々なメリットがあることなど、あらゆる機会にお伝えしていきたいと思います。

 

○東京精神科病院協会「精神障害者の社会参加支援研修会」での講演(平成29年11月29日)

東京精神科病院協会(東精協)では、平成27年に精神障害者雇用促進員会を設置し、医療機関自らの障害者雇用の問題や一般就労に向けた就労支援の問題に積極的に取り組まれています。その一環として、本年度は「精神障害者の社会参加支援研修会~精神障害者雇用の新たなステージに向けて~」が開催されました。第1部の講演会では、島根県浜田市の社会医療法人清和会西川病院の林輝男副院長から「精神障がい者の『働きたい』を支援するために~IPS就労プログラムの理念と活用~」、当ネットワークから「医療機関の障害者雇用戦略~雇用率の改定を受けて~」をテーマに講演が行われました。第2部のトークセッションでは、東精協の精神障害者雇用促進委員会の新井山克徳さん(駒木野病院)により障害者雇用に関するアンケート調査結果の報告があり、その後、講演者、新井山さん、当ネットワークメンバーでもある中原さとみさん(桜ヶ丘記念病院)の4名で会場からの質問を踏まえた意見交換が行われました。平成30年4月の法定雇用率の引き上げを目前に控え、精神障害者の雇用に対する関心が高まってきている中で、精神科医療機関が地域の就労支援ネットワークの一員としての役割を果たしていくことが期待されています。こうした支援を効果的に行うためにも、自らが精神障害者を雇用し、事業所側の視点を学んでいくことの意義も指摘されました。

(講演資料)

 

○尾三障害保健福祉圏域障害者就労支援ネットワーク研修会での講演(平成29年9月26日)

広島県尾道市総合福祉センターで開催された「尾三障害保健福祉圏域障害者就労支援ネットワーク研修会」において、「精神障害者の雇用が拓く新たな視点~精神科医療機関と連携した支援体制の構築~」と題した講演を行うとともに、グループワークに参加しました。研修会には、圏域内の自治体、ハローワークのほか、就労支援に関わる機関・施設等の皆さんが多数参加されました。講演では、精神障害者の雇用を進める上では医療機関を含めた関係機関の連携が不可欠なことから、連携を進めるための具体的な方法として、医療分野の地域連携クリティカルパスを参考に「地域連携就労支援パス」を策定することを提案しました。今回の講演では「地域連携就労支援パス」の作り方として、「地域にある社会資源の洗い出し」「それぞれに期待できる支援内容の確認」「一般就労に向けた『基本パス』の作成」「個別ケースのケーススタディによる検証」「実践での「個別パス」の作成と検証」の5つのステップを提案しました。グループワークでは、就労支援機関と精神科医療機関の連携を取るのが難しい実態が紹介される一方で、医療機関団体の研修会などで就労支援について取り上げてもらってはどうかなど、建設的な議論もされました。

(講演資料)

 

○認定看護管理者教育課程サードレベルの研修(平成29年8月25日)

独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)が実施している、日本看護協会の認定看護管理者教育課程サードレベルの研修において、当ネットワークから講師として参加し、3時間の講義を行いました。3年目となる今年度の講義では、最初に「健康経営」を取り上げました。「健康経営」は、平成27年7月に経済界、自治体、保険者、医療界(日本医師会、日本看護協会等)等が参加して発足した「日本健康会議」が国民運動としての普及に努めているものです。従業員の健康に投資することにより、従業員の医療費や生産性低下などの損失が減り、長期的に事業も発展するという考え方であり、「医療勤務環境改善」の好循環モデルとも共通するものですが、医療職への認知度は低い状況です。全米病院協会では、健康経営について病院がコミュニティのロールモデルになるべきと勧告しており、もっと関心が持たれるべき問題でしょう。この健康経営を実現する上では、職場のメンタルヘルス環境の改善が不可欠ですが、その具体的な方法として、障害者雇用が効果的であることを説明しました。講義の後半では、昨年度と同様、自分の病院で障害者雇用を進めることになり看護部内で責任者となった場合、(1)障害者雇用を進める意義について現場の職員にどのように説明し、(2)障害者の担当する業務としてどのような業務を切り出すか、についてグループワークを行いました。看護部門のトップリーダーを目指す受講者だけあって、意識の高い意見が交わされ、大変有意義なグループワークとなりました。研修には、各病院から看護部長・副看護部長・看護師長クラスの看護師28名が参加し、JCHO病院のほか、国立病院、自治体病院、大学病院、済生会病院、厚生連病院からも参加がありました。

(講義資料)

 

○精神障がい者就業・生活支援フォーラムでの講演(平成29年8月8日)

平成29年度の愛媛県障がい者就労支援ネットワーク強化・充実事業として、南予地域就労支援ネットワーク連絡会と愛媛県の共催により宇和島市で開催された「精神障がい者就業・生活支援フォーラム」において、「平成30年度にむけて 精神障がい者施策の動向~障害者雇用で近づく「企業の健康経営」~」と題した講演を行うとともに、パネルディスカッションに参加しました。講演では、「健康経営優良法人認定制度」や「ストレスチェック制度」のスタートで、企業の側にメンタルヘルスへの関心が高まっている中、障害者雇用を進めることで企業のメンタルヘルス環境が改善される視点を取り上げるとともに、一般就労に向けた関係機関の連携を進める方策として「地域連携就労支援パス」策定を提案しました。パネルディスカッションでは、パネラーに愛媛県労働局、障害者就業・生活支援センター、精神科医療機関、社会福祉協議会、地域活動支援センターと幅広い関係者が参加し、それぞれの役割を「見える化」することの意味とともに、地域住民や企業を巻き込みインフォーマルなサービスを作り出していく実例などが語られました。

(講演資料)

 

○愛媛県障がい者就労支援ネットワーク強化・充実事業での講演(平成29年3月2日)

平成28年度の愛媛県障がい者就労支援ネットワーク強化・充実事業として、四国中央市自立支援協議会就労支援部会主催で開催されたセミナーにおいて、「先を見据えて今を変える~医療・福祉分野での障がい者雇用の実現~」と題した講演を行うとともに、パネルディスカッション「医療・福祉分野での障害者雇用の実態と今後の展望」に参加しました。パネラーには、愛媛県労働局のほか、愛媛労災病院、介護保険事業を運営する社会福祉法人愛美会から事例紹介いただきました。就業支援機関の支援を受けながら、障害者雇用を無理なく進めてきたことについて、同業の受講者からは大変参考になったとの声が寄せられました。

(講演資料)

 

○障害者就業・生活支援センター中国・四国ワーカー連絡会inえひめ での講演(平成28年11月18日)

平成28年度の障害者就業・生活支援センター中国・四国ワーカー連絡会inえひめ において、「どう考える!?拡がる就労支援~平成30年に向けて今すべきこと~」と題した講演を行い、中国四国9県の41センターから参加された約80名の就業支援ワーカーと生活支援ワーカーが受講されました。講演では、精神障害者の雇用については医療機関の連携が不可欠であり、障害者就業・生活支援センターが中心となり、医療機関から一般就労への流れを見える化する「地域連携就労支援パス」の作成を進めることが望ましいことなどをお話ししました。合わせて、医療機関に障害者雇用を働きかけることの意義と実例を説明しました。

(講演資料)

 

○認定看護管理者教育課程サードレベルの研修(平成28年10月27日)

独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)が実施している、日本看護協会の認定看護管理者教育課程サードレベルの研修において、前年度に引き続き平成28年度の研修でも障害者雇用が取り上げられ、当ネットワークから講師として参加し、3時間の講義を行いました。前半では、看護職を始めとした病院スタッフが働きやすい環境づくり、看護業務の効率化、一人一人の能力を最大限に生かすという3つの視点に重点を置いた講義を行いました。後半では、地域の就労支援機関の支援を受けながら積極的に障害者雇用に取り組んでいる病院の事例を紹介するとともに、自分の病院で障害者雇用を進めることになり看護部内で責任者となった場合、(1)障害者雇用を進める意義について現場の職員にどのように説明し、(2)障害者の担当する業務としてどのような業務を切り出すか、についてグループワークを行いました。この研修には、各病院から看護部長・副看護部長クラスの看護師28名が参加し、JCHO病院のほか、自治体病院、済生会病院、厚生連病院、民間病院からも参加がありました。

(講義資料)

 

○「発達障害白書2016年版」での紹介(平成28年9月1日)

公益社団法人日本発達障害連盟が毎年発行している「発達障害白書」の2016年版において、当ネットワークの執筆による「医療機関における障害者雇用の取り組み」が掲載されました。

(「発達障害白書2016年版」の紹介サイト)

(「医療機関における障害者雇用の取り組み」)

 

○「医療機関による一般就労に向けた支援」のページの開設(平成28年6月15日)

「医療機関の障害者雇用ネットワーク」のホームページに「医療機関による一般就労に向けた支援」のページを開設しました。

(「医療機関による一般就労に向けた支援」のページ開設のお知らせ)

 

○一億総活躍社会に関する意見交換会での紹介(平成28年4月12日)

一億総活躍担当大臣及び一億総活躍国民会議有識者委員(当ネットワークメンバーの松為信雄 文京学院大学教授も委員の一人です)が様々な立場の方と意見交換を行う「一億総活躍社会に関する意見交換会」の第7回会合が4月12日に開催され、当ネットワークメンバーの高井敏子 全国就業支援ネットワーク代表理事が「精神障害者の雇用義務化(H30)に向けた障害者就業・生活支援センターの向上」についてプレゼンを行いました。結びの部分では、新しい職域の開拓として医療分野を強調され、「医療機関の障害者雇用ネットワーク」のホームページについて紹介いただきました。

(配布資料)

 

○ネットワーク発足1年を迎えて(平成28年4月1日)

(ご挨拶)

 

○JC-NET会議での報告(平成28年3月13日)

NPO法人ジョブコーチ・ネットワーク 主催の第11回JC-NET会議(3月12日~13日)において、当ネットワークメンバーが所属する東京女子医大の特例子会社ジェー・アイ・ハートサービスの実践報告が行われました。主任指導員の大塚ゆかりさんから、東京女子医大病院での障害者雇用の実践として、メディカルサポート(車いす点検、薬品バーコードスキャン、薬の説明書折り、薬剤用ろ紙折り、スピッツラベルはがし、医療消耗品セット)及びビジネスサポート(メール便仕分け、備品梱包・配布、書類整理、PC入力等)の業務について、映像を含む分かりやい説明が行われました。

 

○看護系雑誌「看護管理」への掲載(平成28年2月29日)

「看護管理」(医学書院発行)の3月号に特別記事として「スタッフに歓迎される障害者雇用の実現~国立がん研究センター中央病院の取り組み」が掲載されました。この特別記事には、当ネットワークメンバーの福田人事課長と那須看護部長による雇用事例の紹介と現場の写真が6ページにわたり掲載されています。また、脚注では当ネットワークのホームページのURLも紹介されました。

(「看護管理」3月号の紹介サイト)

 

○「働く広場」での紹介(平成28年2月25日)

「働く広場」(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構発行)の3月号に昨年12月に開催された公開座談会「精神障害者雇用は今!~精神障害者の職域拡大の可能性について~」の採録が掲載されました。座談会の最後では、当ネットワークの趣旨やホームページについて紹介しています。

(「働く広場」平成28年3月号)

 

○認定看護管理者教育課程サードレベルの研修(平成28年1月18日)

独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)では、日本看護協会の認定看護管理者教育課程サードレベルの研修を実施していますが、今年度のカリキュラムでは障害者雇用を取り上げることとなり、当ネットワークから講師として参加し、「看護管理の今後のあり方~障害者雇用のもたらす効果~」について講義を行いました。この研修には、各病院から看護部長・副看護部長クラスの看護師24名(JCHO病院14名、地域の医療機関10名)が参加しました。

(講義資料)

 

○東京精神科病院協会研修会(平成27年12月16日)

東京精神科病院協会 精神障害者の社会参加支援研修会「精神科病院における障害者雇用~今、私たちにできること~」に当ネットワークから講師として参加し、「精神科病院における障害者雇用の職域開発」について講演を行いました。

(講演資料)

 

○「働く広場」公開座談会(平成27年12月5日)

障害者週間「連続セミナー」(主催:内閣府)の一環として、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の主催の公開座談会「精神障害者雇用は今!~精神障害者の職域拡大の可能性について~」に当ネットワークから講師として参加し、「医療機関における精神障害者の職域開発」について説明しました。医療機関における雇用事例として、当ネットワークホームページの優良事例で紹介している駒木野病院(東京都八王子市)と埼玉県立循環器・呼吸器病センター(埼玉県熊谷市)も登壇しました。座談会の模様は、「働く広場」の平成28年3月号に掲載される予定です。

(講演資料)

 

○埼玉県障害者雇用サポートセミナー(平成27年10月20日)

10月20日(火)、さいたま市の浦和コミュニティーセンターで開催される埼玉県(埼玉県障害者雇用サポートセンター)主催「埼玉県高齢・障害者雇用ワークフェア2015」の「障害者雇用サポートセミナー」に当ネットワークから講師として参加し、講演を行いました。参加者約400名中、20病院・1診療所から計29名の医療機関関係者が参加されました。

(講演資料)

 

○南予地域就労支援ネットワーク連絡会(平成27年10月7日)

10月7日(水)、愛媛県の西予市宇和文化会館で開催された「南予地域就労支援ネットワーク連絡会」主催の勉強会に当ネットワークから講師として参加し、講演を行いました。

(講演資料)

 

○独立行政法人労働者健康福祉機構(平成27年7月8日)

労災病院を運営する独立行政法人労働者健康福祉機構の「全国労災病院事務局次長・総務課長会議」に当ネットワークから講師として参加し、「病院における障害者雇用」について講演を行いました。

 

○ホームページ開設の周知(平成27年6月12日)

医療機関の障害者雇用ネットワークのホームページ開設について、医療関係団体にお知らせしたところ、一般社団法人日本病院会では会員各病院に対し、当ネットワークホームページの開設について周知する通知を発出いただきました。

(日本病院会の通知)

 

○「医療機関の障害者雇用ネットワーク」のホームページ開設(平成27年6月10日)

 

○「医療機関の障害者雇用ネットワーク」の発足(平成27年4月1日)

(趣意書)