学ぶ側から伝える側に

関西地方にある公的病院グループの病院では、従来、身体障害者中心に障害者を雇用してきましたが、定年年齢に達する者が続いたこともあり、病院として法定雇用率水準の維持が厳しくなってきました。このためハローワークに相談してきましたが、身体障害者で適当な方を見出すことができずにいました。そうした中で、地域にある公的な就労支援機関に相談した結果、新たに知的障害や精神障害のある方の雇用にチャレンジしてみることになりました。就労支援機関は、病院を訪問し、院内各部門の仕事から幾つかの具体的な業務を提案し、その業務に合う人材も捜してくれました。病院側も就労支援機関から学びながら、業務を分かりやすく示す作業の手順書を作成しました。こうして新たに障害のあるスタッフが複数雇用され、その後も手順書の改良等を重ねながら、安定した就労を実現することで、障害者の雇用数も増えていきました。他の病院からの見学も受け入れ、見学した病院での新たな雇用にもつながっています。「学ぶ側」が「伝える側」へと進化していく、これも障害者雇用の喜びの一つでしょう。