研修が育てる職員としての自覚と誇り

診療報酬の施設基準で要求されていることもあり、病院職員は様々な研修を受けることが必要とされます。ところが、こうした研修を受講する機会が障害のあるスタッフに確保されているかといえば、必ずしもそうではありません。特に、知的障害や精神障害のあるスタッフについては、研修内容が理解できないとの思いこみもあってか、研修対象から除外されている病院もあるようです。

そうした中で、関東地方にある大学病院では、病院の全職員を対象とした接遇やチーム連携の研修を、知的障害や精神障害のあるスタッフにも同様に行っています。そのままだと内容的に難しい部分は、イラストを使ったり、内容を多少修正することで、より理解しやすく、参加意識を持てるように配慮しているそうです。障害の特性に合わせた教材作りなど、院内で対応し難い場合は、障害者職業センターなど外部の支援機関の協力を得ることもできます。

日常的な仕事とは別に研修のための時間を設け、病院職員と同様の研修を受けることにより、自分達も病院の職員であることが自覚でき、自然と「職員としての誇り」が育っていくようです。