人を活かす組織文化が定着する

障害のある職員は、障害のためにできる仕事の種類には限界があります。身体障害の場合は、できる仕事のイメージも持ちやすいようですが、知的障害、精神障害、発達障害の場合には、どんな仕事をしてもらえるのか、最初は戸惑うこともあるかと思います。それでも障害の特性を理解し、個人の能力を最大限生かす工夫をすると、驚くほどの能力を発揮し、医療機関にとってなくてはならない存在になっていくことも多いようです。

各個人の特性を踏まえ、最大限の能力を発揮してもらえるようにすることは、障害のあるなしに関わらず人事の基本でしょうが、障害のあるスタッフはもともと能力に制限があるだけに、こうした「人を活かす」ための配慮が不可欠であり、その成果を共に喜び合える点が特徴的だと思います。

障害のあるスタッフに対して、周囲の職員も同様の配慮をしていく中で、一人一人の職員の能力を見出し、それを伸ばし育てていく「人を活かす組織文化」が自然な形で定着していくことは、障害者雇用のもたらす予期せぬ効果とも言えるでしょう。